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2年前に他界した父は一部上場企業に勤め上げた普通のサラリーマンだったのですが、実家の土地家屋とまとまった額の有価証券を残してくれました。

有価証券は時価総額1000万円程度で、半分は祖父からの遺産で、半分は父が持ち株会で購入した勤務先の株式です。相続にあたっては遺産分割協議で母がすべて相続する形にしたので、家も株もすべて母が所有している状態です。

株式はすべて野村證券の口座にあったので、そのまま母が野村証券に口座を作って名義変更する形で手続きをしました。一日休んで最寄りの支店に足を運ぶだけで簡単な手続きでした。その際に担当営業の人には事情を話していたので、額が大したことないこともあってか、今までは何か商品をおすすめされるようなことはありませんでした。(NISA口座を作れという話はあったけど)

そんな野村証券から先日突然電話があり、資産運用の見直しをしませんか、という提案がありました。日銀のマイナス金利で市場環境に変化が見込まれるから見直す良い機会ですよ、とのことです。電話を受けた母は金融知識が皆無なので、とりあえず資料を送るから検討してくれ、という話になりました。

送られてきた資料は、以下の商品に関するものでした。

fundwrap
出典:野村證券 | 野村ファンドラップ(ラップ口座)

野村証券のサイトではほとんど詳細が確認できない上に耳触りのいいことしか書いていませんが、送られてきた資料をざっと眺めてみただけでもダメな商品であることが感じられました。簡単に言うと野村証券だけが確実に得するけど客のリターンは限定されるような設計になっています。

詳細についてはすでにネット上に批判記事が多く出ています。以下の記事が最も詳細に解説しているようなのでリンクしておきます。送られてきた資料はまさに記事中のものと一緒でした。

ざっくり言うと、信託報酬が約1%に対して、期待リターンが1.65%(最悪-2.34%~最高5.64%)となっています。信託報酬は要するにリターンを引き下げるだけですから、目論見通りにいっても年0.65%にしかならないわけです。元本が1000万円であれば、6万5千円ですね。

ゼロ金利時代で銀行に預けているのならそういう選択肢もありかなと思わなくもありません。しかしながら、野村証券の提案は現在の保有株を売却して、それを原資にファンドラップを買うというものでした。

最初に書いたとおり現在の保有株は、祖父が生前に購入したもの(おそらく50年以上前に購入)と、父が現役時代に持株会で購入したもの(20年以上前に社割で購入)でありまして、時価で300万くらいの含み益が乗っているものです。また、いずれも配当性向の高い会社で、近年は年間20万円ほどの配当が入ってくる状況でした。

野村証券の提案は、年間20万円を生み出す現物株を売って、その売却益に対する税金60万円を払った上で、年間6万5千円しか見込めない商品を買いましょう、というものだったわけです。元本の変動を考えずに単純計算すると、今のままなら10年で200万円が入ってくるところ、提案どおりにしたら10年経って税金の分が穴埋めされてトントンということです。ちょっとあり得ない提案です。

私は母に上記のような話を簡単に説明し、「絶対に得することはないから止めておけ」と言ったのですが、納得が行ってないようでした。やはりプロの言うことには謎の説得力があるのでしょうか。母がいくら損しようが私の生活に直ちに影響することはないので、それ以上の説得は諦めましたが、野村証券に対する不信感は最高潮に達しています。

投資は自己責任なのは間違いないですが、母のように最低限の金融リテラシーを持たずとも相続で投資商品を持つことになる人も少なからずいるわけで、わからないのをいいことに聞こえのいいトークで絞り上げるような商売をするのはいかがなものかと思います。

皆さまもお気を付け下さい。

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