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米国でリリースされるや否や大ブームを巻き起こしているらしい『ポケモンGO』ですが、日本で商標登録出願が拒絶されているということで話題になっていました。

問題の商標はこちら、商願2015-86693号ですね。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で経過情報を確認すると、確かに拒絶理由が通知されています。

願書:差出日(平27.9.8) 受付日(平27.9.8) 作成日(平27.9.8)
認定・付加情報:処分日(平27.9.8) 作成日(平27.9.8)
拒絶理由通知書:起案日(平28.1.22) 発送日(平28.1.25) 拒絶理由条文コード(85 その他+第8条1項・第4条1項11号) 作成日(平28.1.22)
優先権証明請求書:受付日(平28.2.18) 作成日(平28.2.18)
優先権証明請求書:受付日(平28.2.24) 作成日(平28.2.24)
代理人受任届:差出日(平28.3.7) 受付日(平28.3.7) 作成日(平28.3.7)
出願人名義変更届:差出日(平28.3.7) 受付日(平28.3.7) 作成日(平28.3.7)
意見書:差出日(平28.3.7) 受付日(平28.3.7) 作成日(平28.3.7)
手続補正書:差出日(平28.3.7) 受付日(平28.3.7) 作成日(平28.3.7)
手続補足書:差出日(平28.3.7) 受付日(平28.3.8) 作成日(平28.3.25)

拒絶理由は商標法第4条第1項第11号とのことです。他の人が先に出願して登録されている商標と同じもしくは似ている、というわけです。

(商標登録を受けることができない商標)
第四条  次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

十一  当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

文字通りに捉えると、任天堂以外の会社が「Pokémon GO」に近い商標を先取りしているということになります。私もざっくり探してみたのですが、あまりそれっぽい商標は見当たりませんでした。

今回の商標は以前から使用されている「Pokémon」のロゴに「GO」の文字を加えたものです。もし他人が先に「Pokémon GO」に近い商標を出願したとしてもすでに登録されている「Pokémon」のロゴに類似するとして拒絶され、登録されることはないような気がします。

ふと気づいたのですが、「Pokémon GO」の出願では、意見書と手続補正書と同時に出願人名義変更届を提出しています(上記引用の下線)。

これまでのポケモン関連の商標登録出願はすべて、任天堂株式会社、株式会社クリーチャーズ、株式会社ゲームフリークの3社の共同出願になっています。商標法4条1項11号における「他人」というのは、出願人が複数いる場合は全員一致が求められます(知財高平成17年(行ケ)第10129号「ずぼら焼」事件)。つまり、4条1項11号で拒絶されて、その応答として出願人名義の変更をしているということは、出願時の出願人が従来の3社とは異なっていた可能性が高いということです。

その傍証になるかはわかりませんが、「Pokémon GO」と同日に出願してすでに登録されている「Pokémon GO Plus」という文字商標(商願2015-86694、登録第5852656号)では、拒絶理由が通知されることなく登録査定が出ましたが、なぜか登録査定が出てから出願人名義変更届を提出しています。

願書:差出日(平27.9.8) 受付日(平27.9.8) 作成日(平27.9.8)
認定・付加情報:処分日(平27.9.8) 作成日(平27.9.8)
登録査定:起案日(平28.1.19) 発送日(平28.1.25) 作成日(平28.1.19)
出願人名義変更届:差出日(平28.2.22) 受付日(平28.2.22) 作成日(平28.2.22)
代理人受任届:差出日(平28.2.22) 受付日(平28.2.22) 作成日(平28.2.22)
登録料納付:差出日(平28.2.23) 受付日(平28.2.23) 作成日(平28.3.4)
手続補足書:差出日(平28.2.22) 受付日(平28.2.23) 作成日(平28.3.10)
手続補正指令書(中間書類):起案日(平28.3.10) 発送日(平28.3.22) 作成日(平28.3.14)
上申書:差出日(平28.3.28) 受付日(平28.3.28) 作成日(平28.3.28)

登録料納付後に手続補正指令が発送され上申書を提出していますから、何かイレギュラーな対応をしている可能性が高いと思われます。出願時に何か致命的なミスがあった可能性が高いし、同日に出願した「Pokémon GO」でも同様のミスがあったとしても不思議ではありません。

とりあえず現状わかるのはこれくらいでしょうか。

私の予想としては、出願時に出願人の名義に何らかのミスがありそれを指摘されたのが拒絶理由が通知された原因ということです。これが正しければ、すでに対応も済んでいることから、早晩登録されるであろうと考えられます。これであれば意見書を提出した3月の段階で見通しが立ちますから、一部で取り沙汰されているように商標登録が済んでいないために日本でのリリースが遅れているというのはないのではないでしょうか。

ちなみに、下のような出願もあって、またも上田育弘氏のせいで云々という説も見かけましたが、上述のように4条1項11号は他人の登録商標ですから、出願料も払わず審査に入ってもいない上田育弘氏の出願が影響しているということはあり得ません。

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  • marc0

    商標公開2015-086693の公報を見ると、任天堂(株)の単独出願になっているように見えます。また、出願人名義変更届と同日提出の手続補正書も公開されていますが、そこではクリーチャーズ、ゲームフリークを含めた3社の共同出願となっています。
    管理人さんの推測は正しいのではないでしょうか。