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『さいたまトリエンナーレ』というイベントが開催されているというのでちょっと見てきました。

saitamatriennale
出典:さいたまトリエンナーレ2016

さいたま市内のいくつかのスポットで現代アートを展示して散歩しながら見て回るという企画です。大きく大宮・浦和・岩槻に地区分けされていて、今回は大宮地区を回ってみました。

私はアートの類は一切興味がなくて、良し悪しなどまったくわからない人間なのですが、四国出身の婚約者が「関東でも瀬戸内国際芸術祭みたいなイベントやってるんだね!」と目を輝かせて「行きたい!行きたい!」と仰るので、特にやることもなかった休日に行ってみることにしたのでした。

大宮駅東口に下りると会場への案内板が構内から丁寧に並べられていて道に迷うようなことはありませんでした。駅前では少なくない数のスタッフが道行く人にパンフレットを手渡してアピールしていました。

マップの指示に従って、まずは高島屋に向かいました。マップによるとローズギャラリーというところに展示があるようです。「デパートに画廊みたいなのがあるのかな、さすが埼玉一の大都市だね」なんて言いながら高島屋に入ったのですが、そのローズギャラリーとやらがどこにあるのかわかりません。案内図を目を凝らして探すと、6階と7階を繋ぐ階段の踊り場にあるようです。「階段の踊り場に展示スペースがあるなんて素敵だね、さすが埼玉一の大都市だね」なんて言いながらローズギャラリーに向かったわけですが、到着して唖然としました。

普通のデパートの階段に据え付けられた掲示板に、写真が数枚貼ってあるだけでした。

どうも「←(やじるし)」という企画で、市民が街中に矢印の何かを設置するとスタッフが写真に撮って掲載するという試みのようです(参照)。まだ開始したばかりでほとんど参加がない状態なのでしょう。「ばかり」と言ってもすでに2週間はやってるわけですが。

「これだけいろいろ展示があったら外れもあるよね、仕方ないね」なんて言いながら次の会場である大宮区役所へ向かいました。こちらは2つの展示があるとのことで期待も高まります。区役所前には幟が大量に立てられていて意気込みが感じられました。

入口ではスタッフが客一人ひとりに丁寧に応対していました。説明によると、一方の展示はヘッドホンをしながら大宮の街を歩くとストーリーが展開されるという企画で50分かかる、もう一方は区役所内の映像展示で10分くらいとのこと。一つで50分も取られるのはあれだね、ってことで区役所内の展示を選択しました。案内に従って地下階の廊下を進むと、またスタッフがいて観賞方法を説明してくれました。

会場に入ると、食堂の厨房にカーテンが貼ってあり、それをスクリーンとして映像が上映されていました。映像では若い女性が一人真ん中に立っていて、セリフというかポエムのようなものを情感を込めて読み上げていました。キャベツの千切りがなんたらゴキブリが出てきてなんたらと、私には意味が理解できない内容を延々と話し続けるだけでストーリーの展開も特にないものでした。もしかしてわかる人にはわかるのだろうかと連れや他の客をチラチラ見ていたのですが、みんなポカーンとしていたので少し安心しました。なんだか居た堪れない気持ちに苛まれたので終わりを待たずに会場を後にしました。

この段階で二人とも疲れ果てていて、次の会場に向かう元気はありませんでした。幸いと言うか何と言うか、大宮地区の他の展示はライブとかワークショップとか期日限定のものばかりで、その日に見られるものはほとんどありませんでした。これはもう仕方ないね、ということで、満場一致でここで断念ということに決定しました。

その後は、武蔵一之宮氷川神社にお参りしたり、隣駅の盆栽美術館に行ったりして、大宮観光を満喫しました。とても楽しかったです。

大宮駅周辺でパッと見れるものしか見てないし、一部だけしか見ないで全体を論ずるのも気が引けるのですが、ちょっと酷いと思いました。コンセプトやパッケージだけはしっかり練り上げられていても、中身が伴っていないと思いました。

もちろん私が今までアート的なものになじみがなくて理解できなかっただけで、わかる人にはわかるのかもしれません。ざっとtwitter上の反応とか見てみると、ワークショップ系のものは好評っぽい雰囲気もありましたので、もっとちゃんと下調べして評判の良いのを集中して回ったら面白いのかもしれません。でも、そういう前提は「アート散歩」なんて謳うイベントにはそぐわないように思います。

調べてみると、このイベントは3年間かけて準備して7億円の税金を投じているものだそうです。確かにスタッフの数は多いし街中の案内板も随所に立てられていて意気込みだけは強く感じました。しかし私たちが回っている中で見掛けた他の客は両手に収まる程度しかいなくて、明らかにスタッフの方が人数が多いくらいでした。

 トリエンナーレの債務負担行為で市は当初、開催に向けた会場施設の改修や、事務局支援業務として2億250万円とする議案を2日に追加提出。来年までの3年間の総事業費が7億円にのぼると明らかにした。

 しかし、14日の予算委員会で、自民市議らが「具体的なイベントの中身が決まっておらず、先に費用を承認しろというのは問題だ」などと批判し、7450万円に減額する修正案を提出。18日の本会議で費用対効果などが緊急質問された上で、修正可決された。

出典:さいたま市議会、トリエンナーレの経済波及効果説明求める – 産経ニュース

 さいたま市では12年に施行した文化芸術都市創造条例の象徴としてトリエンナーレを企画。開催期間中に30万人の来場者を呼び込むことを目指し、22億円の経済効果を見込む。

 一方、昨年12月の市議会では公費で負担する事業費が約7億円に上ることが問題視されて減額修正されたうえ、周知も十分とは言えない。市は事業費の足しにするため、昨年12月から今年3月、インターネット上で寄付を募ったが、目標額の1000万円に対し56万円にとどまった。

出典:さいたまトリエンナーレ:周知不足、市民ら盛り上がらず – 毎日新聞

12月まで開催して市は30万人の来場者を見込んでいるとのことです。会期は79日間ですから単純計算で1日3,800人来ないといけないわけで、開始して3回目の週末にこの惨状ではとても到達できるとは思えません。税金をドブに捨てるようなものだと思います。会期はまだまだありますから、しっかりテコ入れして持ち直してもらえるといいですね。

私はさいたま市民ではありませんので一向に構わないのですが、120万人のさいたま市民の皆さんはもう少し問題意識を持った方が良いんじゃないかと老婆心ながら思った次第です。

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