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1976年生まれの自分は、2050年には74歳になります。日本人の平均寿命から考えれば、50%くらいの確率で生きて2050年を迎えることができそうです。

全部で20の様々なテーマについてエコノミスト誌の記者が記事を書いています。
目次はこんな感じ。

第一部 人間とその相互関係
 第一章 人口の配当を受ける成長地域はここだ
 第二章 人間と病気の将来
 第三章 経済成長がもたらす女性の機会
 第四章 ソーシャル・ネットワークの可能性
 第五章 言語と文化の未来
第二部 環境、宗教、政府
 第六章 宗教はゆっくりと後退する
 第七章 地球は本当に温暖化するか
 第八章 弱者が強者となる戦争の未来
 第九章 おぼつかない自由の足取り
 第十章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
第三部 経済とビジネス
 第十一章 新興市場の時代
 第十二章 グローバリゼーションとアジアの世紀
 第十三章 貧富の格差は収斂していく
 第十四章 現実となるシュンペーターの理論
 第十五章 バブルと景気循環のサイクル
第四部 知識と科学
 第十六章 次なる科学
 第十七章 苦難を越え宇宙に進路を
 第十八章 情報技術はどこまで進歩するか
 第十九章 距離は死に、位置が重要になる
 第二十章 予言はなぜ当たらないのか

大変なボリュームで全400ページほどあります。他の本と並行しながらチョビチョビ読み進めて行ったので通読するのに大体2週間くらいかかりました。内容が濃いのでそれでもお腹いっぱいです。

全体的には楽観的な見解が多くて、これなら2050年まで生きていても悪くないかな、と思える内容でした。致命的にエネルギーが逼迫することもないし、大量の人間が餓死するほど食料が不足することもない。関東平野が水没するような温暖化にもならないし、多くの病気は克服されて平均寿命は右肩上がり。よいニュースばかり。

本書では多くのデータが提示されますが、総じて日本に関する数値は悲惨なものです。2050年には中位数年齢は52.3歳になり、被扶養者数と労働年齢の成人数は肩を並べます。2010年には5.8%あった世界のGDPにおける割合は1.9%に低下します。現在米国の71.8%である一人当たりGDPは、58.3%に低下します。ちなみに韓国は63.1%から105%に上昇。一人当たりGDPで米国を追い抜くと予想されています。悪いニュースばかり。

本書を読んでいると、例えば、少子高齢化とか社会保障の増大とか女性の社会進出とか、一見わが国特有の問題に思えるものは、みんな現代の先進国に共通する問題であることがわかります。政策や民間のムーブメントでいくつかの問題は改善したり悪化したりすることもあるかもしれないけれど、結局程度の問題で根本的に解決する魔法のような妙策は存在しないのでしょう。

大雑把に考えると、世界の大きな流れは主に人口動態によって運命付けられていて、逃れようのないことのような気がしてきます。むしろそういう認識をもって、ある程度の諦観を含んで日々の問題に取り組んだ方がよい人生を歩めそうな気がしてきました。

現在社会を取り巻く問題から、近い未来を俯瞰することができる、現代人必読の書です。分量は多いけれど少しずつ読み進めて行けば大丈夫でしょう。まだ38年もあるんだから。

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