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自動車に取り付けるエンブレム投影機器なるものを販売していた人が商標法違反で逮捕されていました。

 自動車メーカーのエンブレムを模倣し、車のドアを開ける際にエンブレムが地面に映る仕組みのプロジェクターを販売目的で持っていたとして、千葉県警は17日、埼玉県川口市並木1丁目の中国籍で会社役員の魏求実容疑者(55)を商標法違反(販売目的所持など)の疑いで逮捕し、発表した。大手通販サイトで販売し、少なくとも200万円以上を売り上げていたという。

出典:車のエンブレム投影機器を販売か 商標法違反容疑で逮捕

自動車には取り立てて興味もないので、エンブレム投影機器というものがどのようなものか知りませんでした。同じ記事中の説明によると、要するに自動車の下の地面にエンブレムを投影する機器だそうです(そのまんま)。

 店のサイトなどによると、商品名は「LEDエンブレム」。車のドア下部に取り付け、ドアを開けると地面にエンブレムが映し出される仕組みだった。

出典:車のエンブレム投影機器を販売か 商標法違反容疑で逮捕

さて、商標権侵害が認められるためには、相手が勝手に商標を使用している必要があります。商標の「使用」がどのような行為であるかは、商標法第2条第3項に定義されています。

3  この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
一  商品又は商品の包装に標章を付する行為
二  商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
三  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
四  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
五  役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為
六  役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為
七  電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為
八  商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
九  音の標章にあつては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為
十  前各号に掲げるもののほか、政令で定める行為

記事中には『商標法違反(販売目的所持など)』と書いてあり、商品自体が商標権を侵害している疑いがあっての逮捕であるようです。とすると、問題になるのは1号2号の『商品又は商品の包装に標章を付す』という部分です。

エンブレムが投影される先は自動車の下の地面になります。地面ですから『商品又は商品の包装に標章を付』していることにはならないでしょう。

エンブレムを投影するためには光源と地面の間にエンブレムを描いたフィルターを設けているのだと想像できます。とすると、確かにエンブレムが商品に付されていると言えるかもしれません。

しかしながら、商品の画像を見ると実物はかなり小さい商品のようですし、発光させないとエンブレムを視認することができないでしょう。すると出所表示として機能しませんので、やはり商標としての使用には該当しないでしょう。

刑事責任を問おうということなのでそれなりに論拠があって立件しているはずなのですが、報道されている内容を見るだけでは商標権を侵害しているかどうか微妙な感じがしました。

商標権者からしたら好ましくないのは間違いないとは思うのですがどうなんでしょうか。

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