スポンサードリンク

「ロストプロセス世代」という言葉があることを初めて知りました。

サントリー次世代研究所が世代ごとの価値観を研究し、昭和50年生まれをロストプロセス世代と名付けたそうです。2013年現在では29歳~38歳になる人たちです。

ちなみに他の世代はこんな感じ。サントリー次世代研究所は2007年度をもって活動を終了したそうで、平成以降の調査結果はありません。

昭和10年代生まれ~勤勉実直世代
昭和20年代生まれ~走り続ける頑張り世代
昭和30年代生まれ~ワンランクアップ消費世代
昭和40年代前半生まれ~堅実・安定志向世代
昭和40年代後半生まれ~体感なきデジタル世代
昭和50年代生まれ~ロストプロセス世代

私もギリギリで昭和50年代生まれなので興味をもって見てみました。ちなみに調査したのは2000~2001年だそうなので、昭和50年代生まれの人たちは17歳~26歳の頃ということになります。

参考1:昭和 50年代生まれ~ロストプロセス世代
参考2:若者のライフスタイル調査(昭和50年代生まれライフスタイル調査)

上記参考2のURLでは大きく4点の特徴がまとめられています。自分の若いころを思い出しながらそれぞれについて感想をまとめてみます。

デジタルな友人関係~でもつながりたい
 この世代の友達づきあいは、趣味やファッションが同じ仲間で集まり、グループで行動することが多い。一方で「学校の友達とは制服の時だけ」というように場所や目的で友人を使い分け、場面や相手に合わせ”キャラ”や”モード”を切り替え状況適応する。仲間といっても常に気を遣っており、「友達だけど本音がいえない」。ただしそのような希薄な人間関係に対して物足りなさも感じている。ケータイやメールで頻繁に友達と連絡をとるのも、つながりを確認したいからである。

確かに「~モード」って言葉、流行ってましたねー。懐かしいです。もうめっきり聞かなくなりました。

自分も所属するコミュニティごとに自分の立ち位置を意識して振る舞いを切り替えるということは学生時代から自然とやっていたと思うし、現在もそれは変わらないです。むしろそれが普通の処世術だと思っていました。どこいっても同じ振る舞いができる人なんているんですかね?

若い頃はメールや電話はかなりの頻度でしていたのも確かです。通信コストが安くなってコミュニケーションが簡単に取れるようになったいく過程の中で好奇心旺盛な年代だっただけだとは思います。

でも最近はtwitterやらfacebookやらLINEやらかつてのメールとは比べ物にならないトラフィックが行き交っています。世代に関係なく人間はつながりを求めていて、コミュニケーションコストの低下に伴って表出し始めたのがあの頃だっただけなんじゃないかとも思います。

情報の細分化~仲間内は同質化
 好きな音楽、雑誌を聞いてもばらばら。上の世代であれば、ぴあ、ハナコなど世代を代表する雑誌があったが、それがない。ファッション誌にしても好みやテイストで読む雑誌が違う。音楽やバイクなどの専門誌を読む人も多く、情報源そのものが細分化している。しかし趣味や好みが同じ仲間で集まるため、仲間内は同質化が進む。

これはどうだろう。90年代後半とかはCDの販売枚数もドラマの視聴率も今から思うとバカみたいな数字が連発していて、むしろみんなが同じ方向を見ている気持ち悪さみたいなのすら感じていました。

自分はどちらかと言うと天の邪鬼な方で、人気のあるものは逆に見たくない聞きたくないみたいな生き方をしてきましたけれど、同年代の人と飲みながら話しているとみんな同じ体験をしているのを感じます。

もちろん興味の合う人としか飲みに行ってない可能性はあるかもしれません。会社に入って知り合った人ばかりだからその可能性は低いと思うんですけどね。

自分が基準
 「公」よりも「私」を重視し、社会の常識より自分の感覚を基準として行動する傾向にある。そのため「車内での化粧」「じべたずわり」など、公的場面でのモラルやマナーの意識は低下している。「人は人、自分は自分」といった意識が強く、基本的に他人に対する関心は薄い。しかし友達や仲間との関係性については非常に過敏であり、空気を読み常に周囲に気をつかっている。

確かにいましたね、電車の床に座る若者たち。あれらを世代の代表扱いされると非常に困惑します。

知らない人に興味はないが、知ってる人の目は気になるってのはその通りだと思います。日本全体でそんなもんじゃないんでしょうかね。少なくとも東京に住んでる人は世代に関係なく当てはまるのではないかと思います。何しろ周りに人が多過ぎる。

ライフスタイル重視~好きなことを仕事に
 サラリーマンに対してネガティブなイメージを持ち、「好きなことを仕事に」している職人やクリエーターに憧れる人が多い。いい大学、いい会社に入れば将来安泰という従来の価値観が崩れつつある世代であり、ライフスタイルと仕事が一致した生き方が彼らの理想である。また「資格があれば安心」と、税理士や会計士、看護士などの専門職を目指す堅実派も多く見られる。一方で、多様な選択肢が迷いを生み「やりたいことがみつからない」と迷いの中にいる若者も少なくない。

まず背景として、90年代後半に企業のリストラが進み周囲の大人が不遇な扱いを受けるのを目の当たりにしたこと、そして企業の新卒採用抑制による就職氷河期が直撃していたことが挙げられます。

大企業であっても人生を預けることはできないし、そもそも大企業にエントリすることすらままならない状況で、会社に依存しない生き方を求めるべきだ、というのは当時の大人たちがわれわれに叩きこんだ価値観です。

おそらく現在の方が就職活動は厳しいのだと思いますけれど、当時と比べて現在の方が良い点は2つあって、1つは希望する企業に少なくともエントリできること、もう1つは早い段階から準備することができること。

われわれの頃は大きい会社はあっという間にエントリを締め切ってしまって、意識高く情報収集していないとエントリすらできない会社がいっぱいありました。当時はインターネットで発信している企業も多くはなかったですしね。

あとはあまりにも急激に新卒採用を絞ったもので何の準備もできてない人がいっぱいいました。私も含めて。中学高校とある程度上位の学校を出れば大企業に就職して安泰な人生を歩めると周囲の大人たちも誰も疑っていなくてわれわれもそれを信じ込んでいました。就職氷河期だって、一時的なものですぐに元になるだろう、こんな時期に就職活動に当たって運が悪かったな、くらいにしか思っていませんでしたね。

だから、「やりたいことがみつからない」ってのはそれまで「やりたいこと」なんて考える必要がないと思って生きてきたのが、突然目の前に突き付けられて困惑している姿の表れだと思います。就職活動で企業がエントリーシートなんてものを求め出したのも90年代後半で私などが就職活動していた時期からですね。あまりにも項目が多過ぎてエントリを断念した会社もいくつかありました。今から思うとそんなやり方で採用を絞るような会社に入らなくてよかったと思います。大体大手家電メーカーとかでしたから。

考えてみれば昭和50年代と一括りにしても、1975年生まれの38歳と1984年生まれの27歳が同じ価値観で生きているわけがありません。個人差も大きいし調査時期の世相に左右される面も大きいでしょう。世代論っていうのは決め付けるのは容易だけれど穴が大き過ぎて考えるだけ無駄な感じもします。

一方で現在はかつてないほど世代間格差が注目を集めていて、インターネットを中心に世代間の衝突(といっても若い世代が高齢世代を一方的に非難するだけだけど)が激しくなっている事情もあります。興味深いところもありますけれど、話半分くらいに聞いておくのが適当かな、と考えています。

サントリー次世代研究所の調査結果が書籍にまとめられて出版されていたようです。今だからこそ読んでみるのもよいかもしれません。

LINEで送る
Pocket