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いわゆる違法ダウンロードを刑事罰化する著作権法改正案が採決される動きとなっているようです。

衆議院の文部科学委員会、著作権法改正案の審議・採決は来週に -INTERNET Watch
「違法ダウンロードの罰則化」議論 民主党賛成議員が党内へ圧力か – 日刊サイゾー

この動きに対して関係各所(というほど多くはないですが)から反対する声明が発表されています。

MIAU(インターネットユーザ協会)の声明
MIAU : 『違法ダウンロード刑事罰化』について、議員向けの反対声明を発表しました。

日本弁護士連合会の声明
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に反対する会長声明

元々は2010年の著作権改正で導入されようとしたところ反対が多くて不正ダウンロードを違法化するけど刑罰はなし、というところに落ち着いた経緯があるようなので、時期を見て次の展開として罰則化されるのは読めるところではあります。4月半ばには民主、自民、公明で大筋合意がなされたという報道がされていますから遅きに失した感は否めません。

それでもどれだけの意味があるのかはわかりませんが何も言わないよりはましでしょう。一国民一インターネットユーザとして、改めてこの件についての立場を表明しておくために、この記事を書いている次第です。

私は違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に反対します。

考えられる問題点は上記の日弁連やMIAUの声明の通りなのですが、ここでは自分が特に問題だと思う点だけ触れておきます。

対象となるのは中高生たち

MIAUが一番に挙げている点ですが、やはり法に引っ掛かるのは自由になるお金の少ない中高生たちだと思うわけです。そもそも法を犯してまで音楽を入手したいと思うのなんて若い子だけでしょう。大人たちはそこまで暇ではありません。なければないで大して困らないです。

確かに法教育が行き届かないというのは現実的にはあると思います。そもそも学校の先生たちってこの辺りの事情にびっくりするほど疎いんですよね。世間知らずばかりです。彼ら彼女らが子供たちに対して正確に何をどうしたらいけないのか指導できるとは到底思えません。

それ以前になぜ音楽をネットでダウンロードしてはいけないのかを論理的に説明するのって難しいと思うんです。例えば、YoutubeにアクセスすればいろんなアーティストのPVが無料で見れますよね。著作権者自ら公開しているものもあるし、違法にアップロードされているのもあります。最近はだいぶ音楽番組も減りましたけど、テレビを点ければ歌手の人たちが歌っているのが映し出されます。これも無料で見られますね。これらは間違いなく合法に放送されています。

物心ついた頃からネットやデジタル機器が身近にある人たちにとって電波で飛んでくるテレビ番組もネットから落ちて来る音楽ファイルも同列に見えるんじゃないでしょうか。

よくわかってない大人が区別のつかない子供たちに指導するならば「何でもいいからネットで音楽や動画に触れるな」ってことになりませんかね?子供たちが安全に無料で音楽に触れる機会が限定されることになりそうです。若い時分に様々な音楽に触れる機会が減るのは、きっと音楽文化の将来にとっても大きなマイナスになるでしょう。

別件逮捕の道具にされないか

これはMIAUの声明の3番目の論点です。先日流山市のHPを個人ブログにコピペしたことによる著作権法違反容疑で逮捕された方がいました。個人的にはこれも別件逮捕だったろうと考えています。ほぼ毎日かなりの本数の記事をアップしていた中で3件だけ丸々コピーしている記事があったために逮捕されたのですね。他の記事は流山市政を批判する記事ばかりです。流山市はこのブログの件を以前から警察に相談をしていて、そんな経緯の中での逮捕でした。大変に怪しい事案だと思います。著作権法が私たちの現実生活と大きく乖離しているのは間違いなくて、現在でも警察はそうした法の不備をついて時に不穏当な捜査権を発揮しているように見えます。

ダウンロードされた後のファイルでは正当にダウンロードされたのか違法にダウンロードされたのかは区別がつきません。極端なことを言えば警察が捜査に入ってパソコンの中に音楽もしくは映画等の動画が保存されていれば違法ダウンロード容疑でとりあえず身柄を確保することも可能なわけです。恐ろしいですね。

取り締まる必要性が感じられない

まず現在の著作権法改正の議論は音楽業界のロビー活動が発端であると認識しています。それを踏まえて不正ダウンロードの違法化から刑罰化の流れを考えれば、当然CD等の売り上げが急激に減少していることが背景にあります。でも一部の統計では、売れていないのはCDだけで、ユーザはダウンロード販売に移行していて音楽産業全体としての売り上げは大きく減少しているわけではないと言います。そもそも現在の中高生はCDを再生する機器を持っていないんですよね。CDなんて買うわけがないのです。


結局刑罰を導入するのであれば保護すべき法益とのバランスが取れていることが重要なわけです。違法ダウンロードが取り締まられたとしてもその分で音楽消費に回るとは思えません。現代は娯楽に溢れていますから。そう考えると違法ダウンロードの刑罰化により音楽産業が確保できる利益よりもユーザの不利益の方が明らかに大きいと思うのです。

この件に限らず明らかにおかしい制度変更がなされようというとき、一人でも多くの国民がどんな形ででも声を上げることが重要だと思うのです。今回はもしかしたら間に合わないかもしれないけれど、次に何かの政策を議論するときに政治家たちの動きに変化が表れるかもしれません。

そんなわけで私は違法ダウンロード刑事罰化に反対します。
よろしくどうぞ。

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