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米国特許商標庁が2013年1月22日にアップルストアのレイアウトに対して商標権を付与したことが報じられていました。

First applied for in May of 2010, Apple’s newly minted trademark was awarded on Jan. 22 and covers the Apple Store’s distinctive all-glass storefront and facade, recessed lighting, Genius Bar and rectangular tables, among other design cues.
— 2010年5月に最初に出願されたアップルの新しい商標が2013年1月22日に付与された。この商標はアップルストアの独特の全面ガラス張りの店頭、埋め込み照明、ジーニアス・バー、四角いテーブルなどを含んでいる。
(Apple Insider:successfully trademarks Apple Store design and layoutより引用)(訳:筆者)

リンク先の記事にも貼ってありますが、この画像が商標として登録されています。

85036986

公報には商標の説明も記載されています。この記述がどのような法的効果を持つのか、私にはまったく不明です。詳しい方、コメント欄等でご教授ください。

Description of Mark:
The mark consists of the design and layout of a retail store. The store features a clear glass storefront surrounded by a paneled, steel gray facade consisting of large, rectangular horizontal panels over the top of the glass front, and two narrower panels stacked on either side of the storefront.

— 商標は小売店のデザインとレイアウトからなる。店は透明なガラスの店頭を特徴とする。店頭は嵌めこまれたスチールグレイの正面壁で覆われている。正面壁はガラスの正面の上部の大きい長方形の横パネルと店頭の両側に積み重なる2枚のより狭いパネルから構成される。

Within the store, rectangular recessed lighting units traverse the length of the store’s ceiling. There are light brown cantilevered shelves below recessed display spaces along the side walls, and light brown rectangular tables arranged in a line in the middle of the store parallel to the walls and extending from the storefront to the back of the store.

— 店の中には長方形の埋め込み照明ユニットが店の天井の端から端まで横断する。側壁に沿って埋め込まれたディスプレイ部分の下にライトブラウンの片持ちにされた棚と、店の中央には壁と並行に店頭から店の後ろまで直線状に配置されるライトブラウンの長方形のテーブルがある。

There is multi-tiered shelving along the side walls, and a light brown oblong table with black stools located at the back of the store, set below video screens flush mounted on the back wall.

— 側壁に沿った多段の棚と店の後ろに位置して、後ろの壁に掛けられたスクリーンの下にセットされる黒いスツールとライトブラウンの長方形のテーブルがある。

The walls, floors, lighting, and other fixtures appear in dotted lines and are not claimed as individual features of the mark; however, the colors and placement of the various items are considered to be part of the overall mark. Similarly, the white in the drawing represents background areas and is not part of the mark.

— 壁、床、照明と他の備品は点線に現れて商標の個々の特徴として要求されないが、いろいろなアイテムの色と設置は全体的な商標の一部であると考えられる。同様に図面の中の白は背景域を表しており商標の一部ではない。

(USPTO:US Serial Number=85036986より引用)(訳:Weblio翻訳の結果を筆者が意訳)

これはいわゆる「トレードドレス」というやつで商品・役務の総合的なイメージを保護するいわゆる「新しい商標」の一種です。欧米諸国ではすでに導入されていますが日本ではまだ認められていません。

 米国で知的財産として認められている概念で、ロゴマークや製品の形状、色彩構成、素材、大きさといった各種要素を含んだ、全体的・総合的なイメージのこと。
 トレードドレスは、商品やサービスの総合的な印象を対象としており、製品のパッケージや、店舗の外装、従業員の制服デザイン、あるいは販売技術なども含み得る。トレードドレスの認定を受ければ、知的財産として保護を受ける対象になる。
(トレード・ドレスとは – 新語時事用語辞典 Weblio辞書より引用)

2011年の夏頃から中国で偽アップルストアが横行している問題が話題になっていました(この辺とかこの辺とか)が、これに対する対抗策であると最初の記事には書いてありました。

日本では現行の商標法ではトレードドレスを含むいわゆる新しい商標(他には音とか匂いとかホログラムとか)は保護されませんが、諸外国ではすでに導入が済んでおり、着実に検討は進められています。さらにはTPPの議論の中で確実に要求事項に含まれますから早晩導入されることは間違いないでしょう。

ちなみに不正競争防止法の適用余地がある(※1)ので、現在の日本でも偽アップルストアみたいなことをやれば訴えられることはあるみたいです。気をつけましょう。

※1:大阪高裁平成19年(ネ)第2261号は「店舗外観は、それ自体は営業主体を識別させるために選択されるものではないが、特徴的な店舗外観の長年にわたる使用等により、第二次的に店舗外観全体も特定の営業主体を識別する営業表示性を取得する場合もあり得ないではないとも解され」として店舗外観が不正競争防止法2条1項1号の営業表示に該当すると判示している。

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