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大学生の学習時間に関する調査結果が報道されていました。

大学生の学習時間 一日平均39分 NHKニュース
20130218001001

元ネタの調査報告はこちらのようです。
第48回学生生活実態調査 概要報告 |全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)

調査報告によると、大学の勉強時間とは「(授業時間を除く)予習・復習・論文など」、大学以外の勉強時間とは「就職に関することや関心事(資格取得など)」と定義されています。大学の勉強時間は、週平均4.58時間(1日平均39.2分)、大学以外の勉強時間は、週平均2.12時間(1日平均18.2分)、となっています。

自分自身の大学時代を思い返すと、試験前2週間を除けば授業すらろくに出席していませんでした。だから、この報道を見て感じたのは、授業の他にさらに1日40分も勉強しているなんて、最近の学生さんは真面目だなー、ということです。ざっくりネット上の反応を見る感じだとあまりそういう感想を持っている人は多くなさそうでした。皆さん立派ですね。

そんな私でも4年で卒業させてもらえて一部上場企業に就職できたのだから、就職氷河期とは言ってもいい時代だったんだろうなー、と思います。

これに関連して、先日配信されてきた大前研一さんのメールマガジンで『日本の社会人教育と東南アジアの急成長~常に学ぶ姿勢の重要性』という記事が掲載されていました。

 また大学・大学院入学者に占める社会人の割合を見ると、OECD加盟国の平均が21%に対して日本はたった2%です。
 韓国でさえ10%です。英国は20%、米国23%、アイスランドは37%です。

 OECDの平均で見ても、大学や大学院への入学者のうち5人に1人は社会人なので、相当数の社会人が新しいスキルを勉強するために大学・大学院に戻ってくるわけですが、日本では「1度卒業したらそれで終わり」という人が圧倒的に多いのです。

日本では社会人の大学・大学院への入学者が極端に少ないと指摘されています。私の経験でも働きながらもしくは退職して学校に戻る人はほとんど出会ったことがありません。一人だけ会社を辞めてMBA取りに留学した人がいたくらい。2%と言われればそんなもんだろうな、というのが感想です。それよりもOECD諸国で20%が社会人であるという方がずっと驚きました。

大前研一さんはこの現象の原因を2つ挙げています。

 まず1つは、大学側に「教えるスキルがない」ということです。
 未だに日本の大学では20年前の教科書を使っていますし、今の日本の大学の先生には教えられるスキルがありません。
 もう1つは、学生側(社会人)に「学校に通ってもっとスキルを学んでいく」という発想がないことです。
 ほとんどの日本の社会人は、大学を卒業したら後は自分で努力することが全てだと思っています。

日本の大学には社会人が仕事の上でのスキルアップとなる知識を提供するカリキュラムがなく、社会人側としても自らの学生時代の経験から大学に通っても今の自分に必要な知識が得られないことを知っている、だから一旦就職した社会人が新たな知識を求める手段として大学・大学院を選択することがない、ということだと思います。自分が大学時代に学んだことが何かしら社会人として働く中で活かせるものがあったかと言われると全くと言っていいほど思い浮かびませんので、まぁそういうことなんだろうなぁ、と首肯します。

おそらく他にも社会環境上の要因はあって、例えば、昨今は若者の就職難が問題とされることが多いですが、まだまだ日本は諸外国に比較して若者の失業率は低いです。また、今だに職歴に空白期間があると再就職が困難である状況がありますから、なかなか会社を辞めて勉強する決断はし難いでしょう。さらに、高学歴ワーキングプアなんてことも社会問題になっていますが、企業が大学での研究実績などを高く評価しない風潮もあります。おそらくこれらも一因になっているのではないかという仮説も立てられんじゃないでしょうか。わかんないけど。

今までは比較的企業にも余裕があって、社員を教育する予算も体制も整備できていたのでしょう。私が就職した当時の状況を思い返してみても、独自の研修所があって独自の教育プログラムを開発して、なんてことをやっていたように記憶していますが、近年は外部の研修に年一回程度参加するのがせいぜいです。やはり実感として企業の中で何か新しいスキルを身に付けることは相当に難しいだろうと感じます。企業は職務に必要とするスキルを身に付けるための教育を社員に施すことができなくなっているにも関わらず、成果重視で業績評価をしようとする矛盾が生じているということです。

このような社会環境で私たち労働者が生き抜いていくには、自己投資により就業時間外に新たな知識やスキルを身に付けて行くしかありません。賢い社会人はそういう危機感を持っているはずです。需要は確実にあるはずです。

さっと見回してみても、社会人が勉強するための手段はいろいろ考えられます。英会話教室を始めとする民間の教育サービスもあるし、ユーキャンみたいな通信教育もあります。資格試験予備校も試験ごとに多くの業者がしのぎを削っています。きっと大学側が魅力的なカリキュラムを用意できれば有力な選択肢になり得ると思います。

大学側も少子高齢化が進む中で社会人を取り込む必要性は強く感じているはずです。需要は十分にあるのだからニーズに合ったカリキュラムを提供できれば重要な収益源になると思います。非常にもったいないことをしているなぁと感じます。

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