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ずいぶん前にベストセラーになって、なぜか深夜ドラマとかにもなっていたから、タイトルだけは知っていたのだけれど、あまりに人気なものには逆に興味が削がれるへそ曲がりなぼくとしては、どうにも手に取るモチベーションが沸かずにいて、結局そのままブームは去ってしまった。

最近文庫化されて書店に平積みされていたのを即決で購入したのは、確かtwitter経由だったと思うのだけれど、著者の水野敬也氏のブログ記事(ウケる日記  オナニー事件)が面白いという情報が流れてきて、あまりに面白いのでmixiチェックして、ブログをGoogle Readerに登録して、twitterをフォローして、要するに氏のことがちょっとしたマイブームになっていたからだ。ちょうど同い年であったというのも親近感を感じた一因かもしれない。

何回かドラマを部分的に見たことはあったし、ブログの一連の記事を読んでもいたので、ただ笑えるだけのファンタジーな小説かと思っていたのだけれど、どちらかと言うと本書は自己啓発本の変種のような内容である。「変わりたい」「成功したい」と思い悩んでいる主人公の「僕」がゾウの姿をした神様「ガネーシャ」の出す課題をこなしながら成長していく、というのが大まかな構成だ。ガネーシャの課題は偉人たちのエピソードから導き出される考え方とか行動規範とかを元にしたものであって、言われてみるとすごく当たり前のことばかりだ。実際に本書の中でガネーシャも言っているように、全部既存の成功本に書いてあることである。

最近はあいかわらず自己啓発ブームで書店には毎日毎日その種の新刊が並べられていく。ぼくもその手の本を何冊も読んできたけれど、残念ながらまだ何も成功できていない。もちろんどの本もとても良いことが書かれていて、きっとその通りに実践できれば成功に近付くことができるのだろう。でも、ほとんどの本はストイックに書かれていて、実践するためには相当な努力を必要とされるのだ。本書はそうした成功するためのエッセンスをわかり易く解釈して、誰にでも実践できるレベルに落とし込んでくれている。

本書を読みながら、ちょっと前に話題になった、勝間和代と香山リカの論争を思い出した。実際にストイックに努力を重ねて成功した勝間和代と勝間和代に啓発されてがんばってみたけどうまくいかずに疲れ果ててしまった人たちを診てきた香山リカがかみついたヤツだ。この件自体はいろいろと大人の事情があったんだろうと推察しているけれど、対立構造としてはなかなか興味深いものがあった。ぼく個人としては勝間和代的な考え方で生きてきたと思っているが、本書の立ち位置は香山リカ的である。

ぼく個人の考え方としてはそんな感じでそぐわない面もないわけではないけれど、何かを行動に移すための第一歩としてはこういうのもアリだというのは理解できる。それに、ここまで平易にまとめるためには相当に多くの書籍を読み込まないと出来ないに違いなく、それをぼくと同い年の著者が実現していることには素直に称賛したい。正直なところ感動すら覚えている。

そんなわけで、ぼくもさっそく靴を磨いてみた。明日はコンビニでお釣りを募金しよう。

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