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マンガ大賞2013を受賞して話題の『海街diary』を読んでみました。とりあえず1巻だけだけれど。

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お話としては、鎌倉を舞台に性格の異なる3姉妹(2話からは4姉妹だけど)が織りなす人間模様という感じです。各話完結のオムニバス形式で、1巻は3話が収録されています。

各話で取り上げるテーマはそれぞれで割と重いテーマなのだけれど、登場人物たちがみんな葛藤をしながらも前向きに進んでいて、柔らかい絵柄とも相俟って全体的にとても爽やかな雰囲気が漂っています。

ちなみに第1話は『蝉時雨のやむ頃』。3姉妹の蒸発した父親が亡くなり、その葬式を通じて現在の3番目の奥さんや死に別れた2番目の奥さんの娘と出会うお話。第2話は『佐助の狐』。次女佳乃の謎の彼氏が実は高校生で金に困っていて近付いてきたことがわかって別れるお話。第3話は『二階堂の鬼』。四女すずのサッカーチームのキャプテンが悪性腫瘍で脚を切断するお話。こうやって書いてしまうと、みんな重い話。

全般的に通じるのは、悲しいことだし色々と思うところはあるけれど、泣いててもしょうがないしやることはちゃんとやってこうよ、という諦観の境地だと思いました。そうした登場人物たちの心情が舞台となる古都鎌倉のイメージと重なって、何とも言えない味わいを醸し出しているのかなぁという印象を持ちました。

全体的な感想としては物語の世界観がよく構築されていて、一気に引きこまれて一気に最後まで読み通しました。フラワーコミックなので少女漫画に分類されるんですけれど、私はKindleで購入したので全く無問題でした。こういうちょっとお店では買い難い本はKindleで買うインセンティブがありますね。

自分は家が埼玉県だったりもしたしほとんど鎌倉という土地には縁がない人生を送ってきました。たぶん実際に足を踏み入れたことは物心ついてからは一度もありません。鎌倉と聞いて思い出すことと言えば、ドラマ『高校教師』で真田広之と桜井幸子が喧嘩したのが鎌倉だったなーとか、最初に勤めた会社にいた大嫌いだった部長が鎌倉に住んでたなーとか、そんなどこにでもあるような記憶しかありません。

それでも話を読み進めながらぼんやりと独特の空気感が感じられるというのは、正に鎌倉という街が持つブランド力そのものなんだろうなぁと思います。何しろ有史以来日本の中心を担った街って、奈良、京都、大阪、東京、そして鎌倉くらいしかないわけですから。そういう意味ではベテラン作家による秀逸なストーリーではあるけれど、舞台となった鎌倉の持つ魅力が作品全体を底上げしている感はありました。

さて、全体的に良い感じではあったんですが、この作品が2012年の最高のマンガでした、と言われると、そこまでのものだろうか、という感じもあります。実際1巻は初版が2007年になってるので、これからズンズン面白くなっていくのかもしれません。あまり漫画ばかり読んでるとすぐに予算が尽きてしまうのでちょっとずつ残りも読み進めていきたいと思います。ちなみに本日時点では5巻まで刊行されているようです。

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