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衝撃的な記事を見掛けました。

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(cache) 「NAVERまとめ」はいつ終わるのか。 – ガジェット通信

衝撃的だったのは記事の内容ではなくて、冒頭の一文です。

今回は、『はてな匿名ダイアリー』から転載させていただきました。

記事末にも同様のことを示す文章が記載されています。

転載元:こちらは匿名投稿『はてな匿名ダイアリー』からの転載です。
転載いただいた記事は2013年05月03日時点のものです。

ご存じない方へ補足しておくと、はてな匿名ダイアリーというのは株式会社はてなが運営する、匿名で投稿することが可能なブログサービスです。はてなへのユーザ登録は必要ですが投稿したユーザに関する情報は表向きには閲覧できないようになっています。

日本国の現行著作権法の下では、一般的にブログ等の記事には著作権が発生します。記事の転載は著作物の複製行為になりますので、著作権者つまり記事を投稿した匿名のユーザの許諾を得なければいけません。原則的には。

最近のユーザ投稿型のWebサービスでは、投稿者が著作権を保持しながら、サービス運営会社に無償でライセンスすることを条件とする利用規約を定めている場合が多いです。つまり自分の投稿をどのように扱われても文句は言わない約束でそのサービスを利用しているわけです。

例えば、twitterの利用規約が有名です。

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介して、自ら送信、投稿、または表示するあらゆるコンテンツに対する権利を留保するものとします。ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿、表示することをもって、媒体または配布方法(既知のまたは今後開発されるもの)を問わず、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配布するための、世界的な非排他的ライセンスを(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対して無償で許諾するものとします。
ヒント:このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧できるようにすることを認めたことになります。
(Twitter / サービス利用規約より)

facebookも同じような利用規約になっています。

利用者がFacebookで投稿したコンテンツおよび情報は、すべて利用者が所有するものであり、プライバシー設定およびアプリケーション設定を使用して、利用者自身がどのように共有するかを管理することができます。以下に詳細を示します。

  1. 写真や動画など、知的所有権で保護されるコンテンツ(以下「IPコンテンツ」)について、利用者は弊社に次の許可を与えるものとします(プライバシー設定およびアプリケーション設定が適用されます)。Facebookで、またはFacebookに関連して投稿したIPコンテンツを使用する、非限定的、譲渡可能、サブライセンス可能、使用料なしの、全世界を対象としたライセンス(以下「IPライセンス」)を弊社に付与します。このIPライセンスは、コンテンツが他の人と共有され、その人がそのコンテンツを削除していない場合を除き、利用者がIPコンテンツまたはアカウントを削除したときに失効します。

(Facebook利用規約の改定についてより)

もしかしたらはてな匿名ダイアリーに投稿された記事は第三者が自由に利用可能となる利用規約になっているのかもしれません。

はてな匿名ダイアリーの利用規約を見てみました。

利用規約
はてラボ利用規約に準じます。
(ヘルプ – はてな匿名ダイアリーより)

ということなので、「はてラボ利用規約」を見てみました。著作権に関する規定は「第6条(当社の財産権)」に規定されているようです。

第6条(当社の財産権)

  1. 当社は本サービスに含まれる情報、サービス及びソフトウェアに関する財産権を保有しています。
  2. 本サービスに使用されている全てのソフトウェアは、知的財産権に関する法令等により保護されている財産権及び営業秘密を含んでいます。
  3. ユーザーは、本サービスにおいて自己が作成、投稿した作品など、本サービスに送信した著作物について、著作権を有するものとします。
  4. 当社は、ユーザーが本サービスへ送信された情報を、当社ならびに当社の業務提携企業の運営するサービス、出版物などに掲載し、利用することができるものとし、ユーザーはこれを無償にて許諾するものとします。
  5. ユーザーは本サービスにおいて自己が送信した情報につき、当社の定める方式で他ユーザーが加筆、改変などを行い本サービスに掲載することを無償にて許諾するものとします。
  6. ユーザーが自己の保有する、本サービスへ送信された情報に関する著作権を第三者に譲渡する場合、第三者に本条の内容につき承諾させるものとします。

(はてラボ利用規約 – はてなより)

はてな匿名ダイアリーに投稿された記事の著作権はユーザーに帰属し、ユーザーは株式会社はてながその記事を株式会社はてな及びその業務提携企業の運営するサービスで利用することに無償で許諾しなければいけない、という建て付けになっています。

ポイントは、twitterやfacebookとは違って、サブライセンス(再許諾権)までは許諾していない点でしょう。これは、株式会社はてなが著作権者である投稿ユーザに利用規約に謳われていない主体に対して無断で転載の許諾を行うことはできない、ということを意味します。つまり、はてな匿名ダイアリーからの転載を許諾できるのは原著作者である投稿したユーザのみです。

とすると仮に合法的にガジェット通信がはてな匿名ダイアリーの記事を転載しているとするならば、以下の二通りの可能性が考えられます。

  1. はてな匿名ダイアリーを運営する株式会社はてなとガジェット通信を運営する株式会社東京産業新聞社(もしくはその親会社の有限会社未来検索ブラジル)が業務提携している
  2. ガジェット通信を運営する東京産業新聞社が元記事の投稿ユーザーから転載の許諾を得ている

まず前者について。株式会社はてな、株式会社東京産業新聞社、有限会社未来検索ブラジルのWebサイトをざっと見回してみましたが、業務提携をしていると考えられる情報は得られませんでした。利用規約に「当社の業務提携企業の運営するサービス」と記載されている以上、業務提携先は明示されるべきと考えられますので、はてラボ利用規約第6条第4項に基づいて転載されたとは考え難いと思います。

次に後者について。はてな匿名ダイアリーは外見上は執筆者を特定することができないようになっています。公にはなっていませんが運営サイドは確認できるようになっているはずです(でないとプロバイダ責任制限法に対応できないから)。もし、前者に間違いがなくて、株式会社はてなと株式会社東京産業新聞社とが無関係であるならば、東京産業新聞社が元記事を投稿したユーザを特定することは不可能であり、当然記事の転載の許諾を受けることはできません。

このように検証してみると、現実的にはガジェット通信がはてな匿名ダイアリーに投稿された記事を合法的に転載することは不可能なように思えます。

つまり、はてな匿名ダイアリーからの転載はナシ、ということでFA。

ネット上では無断転載の問題が日常的に発生しています。気持ちのよいことではないけれど、損害自体の観念が難しいからなかなか権利行使もできず、モラルの低い業者のやり得な状況が続いています。なかなか個々のユーザレベルで対処できるものではないですから、大手のサービスプロバイダ各社に動いてもらえるといいのになぁと思うんですけどね。

※もしガジェット通信さんが何らかの方法で著作権処理していたら申し訳ありません。そうであれば後学のためにご指摘いただけると幸いです。ないと思うけど。


追記(2013/9/17)

情報提供ありがとうございます。

で、調べてみたら、そういう話が見つかりました。はてなの中の人が投稿者から個別に許諾を取ってるようです。

(参考)ゴミサイトからメールが来た

ということで、個別に転載の許諾を取っているそうです。

しかし、はてなの中の人は割りと気軽に誰が何書いたかわかる運用になってるんですね。それはそれで衝撃でした。

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ガジェット通信にネタをパクられたみたいなんだけど気のせいだろうか

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