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ちょっと前にNHKで放送されていた『出社が楽しい経済学』という番組の書籍版、全二巻を読んでみました。

 

この番組は、学校で経済学を学ばないままに社会人になった若者を対象に、必要最低限の経済学の知識を楽しく身に付けられるような番組をコンセプトに制作されたものです。劇団スーパー・エキセントリック・シアターが演じるドラマ仕立てで面白おかしく構成された番組とのことです。

私も番組名はうっすらと覚えていて、何となく何度かは番組を見たことがあるような記憶があるようなないようなぼんやりとした感じなのですが、とにかく、今回はその書籍版を改めて読んでみた次第です。

書籍版は1巻と2巻が刊行されています。これは番組が2シーズンに分かれて放映されたことによります。1巻が1シーズン目の放送で取り上げた内容、2巻が2シーズン目の放送で取り上げた内容とのことです。

毎回、経済学の専門用語を一つ取り上げて解説をする構成となっており、1巻で取り上げている言葉は以下の12個です。

  1. サンクコスト
  2. 機会費用
  3. 比較優位
  4. インセンティブ
  5. モラルハザード
  6. 逆選択
  7. 価格差別
  8. 裁定
  9. 囚人のジレンマ
  10. 共有地の悲劇
  11. 割引現在価値
  12. ネットワーク外部性

2巻で取り上げているのは以下の8個です。2巻の方が一回当たりのページ数は厚くなっています。放送時間は同じだったみたいですが、書籍版の編集方針の違いでしょうか。

  1. ロックイン
  2. コミットメント
  3. ヴェブレン効果
  4. 心の会計
  5. スクリーニング
  6. 勝者の呪い
  7. レントシーキング
  8. 規模の経済性

1巻はとりあえず思い付く順に手当たり次第に取り上げている感じで、2巻はどちらかというと全体を通じる流れ考えられている雰囲気がありました。ただし、読み進めている自分の側に知識が付いてきて前のテーマとの繋がりが見出せるようになってきていただけの可能性もあります。

本書の構成は、1話ごとに大きく3つに分かれていて、最初にテーマに合わせた身近な例を出したQAがあり、続いてそのQAをきっかけとする本編解説、さらに監修の吉本佳生さんの解説が続きます。

個人的に興味深かったのは、「サンクコスト」「比較優位」「ヴェブレン効果」あたりです。

「サンクコスト」では、5年間付き合った彼女が別れたいようだがどうしたらいいか?という優柔不断な男子の質問。「比較優位」では、同期にどんな仕事でもかなわない人がいるんだけどこのまま会社にいてもいいんだろうか?という悩み。「ヴェブレン効果」は、部長に商品の値下げを相談したら値段上げろって言われたんだけどこいつ頭おかしいんじゃないの?という質問。

いずれも、むむむ、と考え込んでしまう難問で前のめりで一気に通読しました。

昨今は国も企業も家計も経済的に余裕がなくなってきているせいか、経済的な知識を駆使してより賢く生きる必要性を強く感じる場面が多い気がします。人間は楽な方に楽な方に流れがちなので、キャッチーなタイトルの新書とかマネー雑誌とかに手が伸びがちですが、結局は時間をかけて裏の理論を正しく理解できた方が最終的には身になる知識が身に付くような気がします。

本書はサラッと読めて経済学の全体的な雰囲気を感じることができる良書だと思いました。たぶんわかり易くするために端折ってる部分も多いと思うので、今度はもう少し体系立った本へ進んでみたいと思います。

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