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2013年9月27日、平成25年度の弁理士試験論文試験の合格発表がありました。

弁理士試験は工業所有権審議会の主催により年一回行われる国家試験です。短答試験、論文試験(必須、選択)、口述試験と、三次試験まであります。今回は7月に実施された第二関門、論文試験の合格発表でした。ここで合格すると、最終の口述試験に進めるわけです。

昔から論文試験が弁理士試験の天王山と言われていました。短答試験はマークシートなので客観的に合否が明らかになりますから、相応の実力があれば間違いなく合格できます。一方、論文試験は正解が一つではなく採点者次第で得点がぶれますから、十分な実力があっても合否が運に左右される面があるからです。

ただ、近年では最終関門、口述試験の難易度が急上昇していますので、口述試験こそが天王山と言う人もいるとか、いないとか。

何にしても、いかなる試験も実力に加えて運が結果に影響するのは仕方のない側面がありますから、論文試験の合格が弁理士試験の最終合格に向かった大きな一歩になることは異論のないところです。

さて、早速、特許庁のウェブサイトで合格発表を覗いてみました。

今年度の合格者数は490名とのことです。

ここ数年の合格者数と合格率をまとめてみるとこうなります。

年度 受験者数 合格者数 合格率
H19 2,639 589 22.3%
H20 2,806 601 22.7%
H21 3,336 944 28.2%
H22 3,093 822 26.5%
H23 2,988 709 23.7%
H24 2,851 837 29.3%
H25 1,979 490 24.7%

合格者の絶対数は、昨年の837名から490名と41.5%の減少になりました。しかしながら、合格率で見れば平成23年度や平成20年以前よりも高い状態です。これはひとえに、今年度の短答試験(一次試験)の合格率が前年比7割減と大幅に下がったことが原因です。これにより受験者数が900人弱減っているからです。

一見すると、今年は短答試験の難易度が上がり、論文試験の難易度は例年通りだったようにも見えます。では、この傾向が来年も続くのでしょうか。私はそうは思いません。

弁理士試験の実施には、膨大なコストがかかります。これは国家予算から捻出されます。つまり国会の承認によりコストのキャップがはまっているということです。

論文試験では貸与条文の印刷数を早い段階で決めなければいけません。ただ、これは多少大目に刷っておいても大きなコスト増にはならないはずです。一方、口述試験は高級ホテルのフロアを貸し切って実施されるため、1日増えると大幅なコスト増になります。つまり、どちらかと言えば、口述試験の受験者数の制限が予算執行上重要になるわけです。ここに向けて短答試験と論文試験のトータルで絞っていくのが基本姿勢になっていると予想します。

例えば、短答試験だと、合格基準点を上下することで合格者数を調整します。しかし、短答試験の場合は大体同じ得点に固まりますから、あまり柔軟な調整が利きません。

例えば、論文試験だと、科目毎に下駄を履かせたり脱がせたりして、より詳細な合格者数の調整が可能です。論文試験の採点結果は返却されませんから、内部で操作がされても受験者には知る術がありません。公に語られることはありませんが、得点調整がされていることは周知の事実です。

昨年の口述試験に不合格だった人は415名いるようですから、今年の口述試験の受験者は905名が上限になります。昨年度の口述試験受験者数は1134名でしたから、短答試験、論文試験の合格者数を大幅に絞ってきたにも関わらず、1割強しか減少していません。

私の記憶では口述試験では1日当たり150人から200人を捌けたはずですから、昨年よりも実施日を1日減らしたあたりをターゲットに合格者数を調整したのではないでしょうか。

昨年の口述試験の合格率は63.4%でした。受験指導に関わっている知人に聞く感じでは、受験生のレベルは昨年から上がっている印象はないようです。口述試験は受験生の評価が各科目3段階ですから、合格者間の調整が利かない試験です。おそらく合格率は例年通り60~70%あたりに落ち着くでしょう。受験者数が905名とすれば、543~633人です。

そんなわけで、私は、最終合格者数は500人台の後半と予想します。

論文試験に合格した受験生の皆さま、おめでとうございます。口述試験は今まで以上にハードな試験です。ぜひ全力を尽くして合格を勝ち取ってください。

残念ながら不合格だった受験生の皆さま、お疲れさまでした。この試験は諦めなければ必ず合格できる試験です。来年こそ合格を勝ち取られますようご祈念いたします。


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