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※2013/10/04追記
いつかはゆかしのHPに出願番号が「特願2012-279557」と記載されていました。
出願番号からして2012年の後半に出願しているようなので、まだ未公開でした。
失礼しました。


abraham

「いつかはゆかし」で有名なアブラハム・プライベートバンク社に対して証券取引等監視委員会が行政処分の勧告を行った件が一部で話題になっていました。

「月々5万円の積み立てで1億円が貯められる」として海外のファンドへの投資を助言していた会社が、特定のファンドから報酬を受け取っていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。
証券取引等監視委員会は、中立的な助言に見せかけて投資を勧誘していた疑いがあるとして、この会社に対する行政処分の勧告を行うものとみられます。
(投資助言会社 中立装い勧誘か NHKニュースより)

で、2013年10月3日、無事に証券取引等監視委員会から勧告が出ました。

アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する検査結果に基づく勧告について:証券取引等監視委員会

これを受けて、同日、アブラハム・プライベートバンク株式会社がプレスリリースを出していました。

証券取引等監視委員会による行政処分の勧告について|プレスリリース|アブラハム・プライベートバンク株式会社

さて、アブラハム・プライベートバンク社のプレスリリースの中に、ちょっと気になる一節がありました。

法令遵守を徹底し、ビジネスモデル特許を申請していたにも関わらず、誠に残念ながら、弊社のビジネスモデルに関して当局と見解が異なりましたので、この度の検査結果を厳粛に受け止め、改めて速やかに業務改善を行い、一層の内部管理体制の強化に努める所存でございます。またその他の指摘についても真摯に受け止め、業務改善して参ります。

弊社のビジネスモデルが特許を取るくらいに先進的に過ぎたので、当局の理解が得られませんでした、と言いたいようです。

それではということで、実際に出願していたのはどんな内容の発明なのかを調べてみました。

特許電子図書館(IPDL)で出願人が「アブラハム」の出願を検索すると22件がヒットしました。ざっと見ると「アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社」名義の出願が1件ありました。アブラハム・プライベートバンク株式会社の親会社です。他にも社長の氏名などでも検索しましたがヒットしませんでした。
どうやらこの1件で間違いなさそうです。

該当の出願は、出願番号が「特願2007-144745」、出願日は平成20年12月11日です。公開番号は「特開2008-299572」です。発明の名称は「電子メール送信装置及び電子メール送信方法」になっています。

要約書の内容はこうです。

【課題】 電子メールのメッセージ本文の表示エリアにおいて、文字の一部の装飾や画像の利用によって、効果的な装飾を施した電子メールを送信することが可能な電子メール送信装置を提供する。
【解決手段】 送信する電子メールの送信先、件名、タイトル、本文、装飾の有無や種別に関する情報を指定すると、これらの情報に基づいて送信ファイルが自動作成される。件名と本文は、標準フォントを指定したテキストデータとして送信ファイルにそのままの形式で記述される。送信先から会員の氏名が特定され、氏名を構成する文字のフォントデータを読み出し、氏名を表示するイメージファイルを作成する。タイトルについても、同様のイメージファイルを作成してもよい。装飾情報については、会員の属性に対応する装飾用のイメージファイルを読み出す。これらのイメージファイルをメッセージ本文の表示エリアに埋め込むことで、装飾を施した電子メールを送信できる。

【図2】
20131003214406232384

【図7】
20131003222026879730

要するに、顧客宛てのメールを送信するときに、宛先やタイトルの文字列をフォント指定して装飾したイメージとして生成して、HTML形式のメールに埋め込んで送信するシステムのようです。

この発明の特許性についてはコメントしませんが、少なくともプレスリリースで述べられているような『投資助言会社という中立的な立場で、「個人投資家の海外ファンドへの直接投資をサポートする」という日本初の新しいビジネスモデル』を出願したものとは到底思えません。

ちなみにこの出願の経過情報を調べると、未審査請求によるみなし取下となっていました。日本の特許制度では出願から3年以内に審査請求手続きをしないと特許庁の審査が行われずに出願は取り下げられたものとみなされるのです。


つまり、仮に顧客宛てのメールを装飾して送信する方法がアブラハム社の日本初の新しいビジネスモデルであったとしても、それはただ出願しただけで、本当にそれが特許を受けられるようなビジネスモデルであるのかについて、誰も判断はしていません。自己申告のみです。


出願だけなら誰でもできます。出願料は1万5000円です。アブラハム社の出願は弁理士が代理人に付いていますから、それなりの手数料を払っていると思いますが、塚本高史に払うCM出演料と較べたら屁みたいなものです。


どうせわかんないだろうと思ってハッタリをかましているとしか思えないんですが、どうなんでしょうか。特許出願すると、出願から1年半後にその内容が世界中に公開されます。わかる人が見ればどんな内容かは一瞬でわかります。あまりにも世の中を舐めているとしか思えません。


これだけ脇の甘い会社だといじりたくなる気持ちは非常によくわかります。

(以下、追記)
ちゃんと調べず勢いで書いたもので何かグダグダになっちゃいましたが、出願だけなら誰が何を出願しても阻むものは何もありませんから、ビジネスモデルの特許を出願していることを反論として持ってくるのは無意味なことだと思います。

特願2012-279557が公開されたら、改めて見てみたいと思います。

参考

アブラハム『いつかはゆかし』が行政処分へ、そして行政訴訟で殴り愛: やまもといちろうBLOG(ブログ)

いい最終回だった、アブラハム・プライベートバンクへの行政処分勧告を受けて東京上空に綺麗な虹が架かる : 市況かぶ全力2階建

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