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映画『風立ちぬ』を観たので、「せっかくだから原作も読んでみようかな、タダだし」と思って堀辰雄著『風立ちぬ』と『菜穂子』を読みました。

 

あんまりよくわからずに読んでみたのですが、まったく映画の原作ではありませんでした。完全に別個の独立した作品です。

『風立ちぬ』は、婚約者が結核になって長野県のサナトリウムで療養生活を過ごすのをそばで見守る男性のお話です。後半では一年後、婚約者がなくなった後も長野県で孤独に暮らす男性の生活が描かれます。全体的に悲しい設定に関わらず淡々と静かな山中の自然を美しく描いています。

『菜穂子』は、望まぬ結婚をし姑との中に悩む女性が結核となって長野県の療養所に一人で入るのだけれど、衝動的に夫のいる東京に出てきたり、でも疎まれて一人でまた長野県に帰って行ったり、その流れで幼馴染の設計士と再開したり、幼馴染も病気で生まれ故郷に帰って行ったり、そんなこんなが繰り広げられる、一言で言えば不幸な女の一生を描いた物語だと思いました。

同じ長野県の療養所を舞台にしながら、『風立ちぬ』は自然の美しさや生きること、死ぬことなどを淡々と描くのに比べて、『菜穂子』では実母との確執、義母との確執、夫との不仲など人間関係を中心にしながら客観的に描いています。

正直言って、純文学とか読むのはあまり慣れていないのでこんな理解で良いのか自信ないんですが、そこそこに楽しんで読めました。

で、せっかく映画も観て、原作とされる作品も読破したので、これを絡めて何か一つ考えてみようかと思ったんですが、冷泉彰彦さんがぐうの音も出ない見事は評釈をされていたのを読みまして、自分の教養不足を思い知りました。映画を観た方はこちらを読まれるとよいと思います。

映画『風立ちぬ』のヒロインが「菜穂子」である理由 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

原作とはかけ離れていながら、モチーフは随所に散りばめられているようで、改めて映画を観てみたらまた違う感想を持つかもしれません。こうしてみると、やはり映画『風立ちぬ』は今までの宮崎作品とは一線を画する観る者を選ぶ作品なんだなぁということを強く感じました。

青空文庫で無料で読めるので、興味のある方はぜひ。


映画の感想

『風立ちぬ』宮崎駿(監督)
ヤマザキ三角シベリアを食べた

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