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NHK技研公開2012 (5/24-27) | オフィシャルサイトTOP

NHK技研公開に行ってきました。世田谷区砧のNHK放送技術研究所が研究成果を公開するイベントです。入場無料です。ノーチェックで入場できます。オタクっぽい中高生とか親子連れとかもいましたが、圧倒的に多いのはピンのおじさんでした。おそらく仕事上何らかの関係がある人なのでしょう。
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展示は大きく3つに分類されています。残念ながら多くの展示は撮影禁止だったので写真はほとんど撮っていません。

放送通信連携

Hybridcast®は、放送内容に関連する情報を埋め込む技術です。サッカー中継の映像で各選手の頭の上に、その選手の名前とかポジションとかが書かれた吹き出しがくっついているデモとかやっていました。あとは放送内容と関係のある広告が画面の脇に出るデモとかありました。ご丁寧にフジテレビが提案している技術だと言った注意書きがしてありましたね。あれを見て不適切だと騒ぐ人もいるんでしょうか。

teledaは、SNS上でフォロー関係にある人が同じ番組を見ていると、画面にコメントなどが表示されるような技術でした。確かにtwitterとかで観ている番組の感想をつぶやいていると盛り上がるような場面は多いような気がします。ニコニコ生放送やustreamでやっていることがテレビ上で行われると思えば間違ってはいないと思います。

人にやさしい放送技術

身体的もしくは言語的にハンディキャップを持つ人でも楽しめる放送を実現するための技術たちでした。主に字幕に関する技術です。

生字幕製作のための音声認識は、放送の音声を音声認識して、認識結果を効率的に補正することができるようにする技術です。認識した結果から放送内容のテーマを推測して認識辞書を切り替えたり、テキストの修正候補を提示したり、そんな感じの技術でした。

字幕を手話CGに変換する技術もデモしていました。天気予報を題材にして、字幕の特定の単語を認識して対応する手話のCGを繋ぎ合せて表示していました。

あとは字幕を易しい日本語に変換する技術とか。日本語の習得が十分でない外国人を対象にして平易な日本語とか単語の解説とかが出る字幕を提供するというものでした。

スーパーハイビジョン

目玉はスーパーハイビジョン関連技術でした。スーパーハイビジョンは、映像としては画素数がHDの縦横4倍ずつ、音声としては22.2chの大容量放送フォーマットのことです。2025年の実用化を目指しているそうです。

スーパーハイビジョン向けのディスプレイとか、音響システムとか、撮影機材、録音機材、有線伝送機材、衛星伝送機材などなど。現在の放送環境をほぼ一新するような技術開発が必要になることがよくわかります。

映像は眼を瞠るほど美しいし、音響もすごい立体感でした。デモでAKB48とかマルモリダンスとかのステージ(たぶん紅白歌合戦)を映していましたが、現実には近づくことができないような距離で等身大に1枚のディスプレイに映し出されるわけです。ある意味本物以上と言ってもいいと思います。

確かにすごい技術だと思ったし感動的な体験であったとは思うんですが、さて家庭内でここまでのものが必要なのかというと、少なくとも万人が必要とするものではないような気もします。実用化されて慣れてくるとそれが普通になっていくんでしょうか。実用化後の普及速度がどうなるか興味深いところです。

その他の展示

インテグラル立体テレビは、眼鏡をかけずに観ることができる立体テレビでした。小さい部屋に入って据え付けられた椅子から観ると立体的に見えるというものです。あまり美しい映像でもなく、立体感もそれほど感じられず、まだまだこれからの技術なのかなと思いました。

視聴者の視点を認識する装置とか、人の動きを認識してCG画像が同じ動きをする技術とか、たぶん面白いコンテンツを作りだすために利用される技術だと思いますが、そのようなものを体験できるコーナーなどもありました。

最後に講堂内のスーパーハイビジョンシアターで「スペースシャトル最後の打ち上げ」というスーパーハイビジョン上映を鑑賞してきました。ちょっと後ろの方の席になってしまったので、映像についてはこんなもんかという感じでしたが、音響の再現性は素晴らしかったです。
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こんな感じの講堂で上映した

感想など

初めてということもありますが、全般的に展示は興味深いものが多かったです。特にスーパーハイビジョンのディスプレイを間近に見てその精細さにはちょっと感動しました。放送を支える伝送技術とかも普段意識することのない部分なので、こういう縁の下の力持ち的な研究を続ける研究者の方々には頭が下がる思いがします。

通信と情報の連携は、どうなんでしょう。何か違和感を感じるというか、「これだけ?」感は禁じ得ませんでした。たぶん勢いのあるネット関連企業と協働した方がいいんだろうと思いますが、半官半民のNHKとはそりが合いそうにないな、とも思います。とにかく何かもっとすごいことができてもいいんじゃないかというモヤモヤしたものが残りました。

ちょっと交通は不便なところにありますが、小田急線成城学園前駅からシャトルバスも出ているし、入場無料だし、一度は行っておいて損はないと思います。近くに都立砧公園があるので家族連れで最新の放送技術に触れた後は自然に癒されるのもよい休日の過ごし方ではないでしょうか。

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