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CAMPFIREで支援したphaさんの本を読みました。
詳しくはこちら→CAMPFIREで支援したphaさんから謝礼が届いた

書店によって扱いがいろいろみたいで、どのコーナーに置かれているかわからないという事案が多く発生していたようです。ちなみに、紀伊国屋書店新宿南店に寄ったところでは5Fの社会科学的なコーナーに平積みされていました。『元ひきこもりニートがリアルに教える! 脱ニート完全マニュアル』と並んで置かれているのがシュールでした。

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phaさんは京都大学を卒業して会社員をしていましたが、twitterとプログラミングに出会ったことがきっかけで一念発起して退職、ニートになった人です。いろいろなwebサービス(ホッテントリメーカとか、圧縮新聞とか、EasyBotterとか)を公開したり、ブログを更新したり、amazonの欲しいものリストから貰い物をしたり、そんな感じで日々を生きているようです。

本書の中でご本人も書いていますが、これは誰にでもできるものではありません。彼が公開してきたwebサービスなどを見れば容易なことではないことは理解できるはずです。

phaさんのような生き方は、一見すると自由で楽しそうで楽そうに見えます。これが新しい生き方だ、みんなこういう生き方を目指そう、社畜乙!、みたいな極端な反応もチラホラ見えます。

本当にそんなんでしょうか。

翻って、自分は大学を卒業してから15年近く途切れることなく会社員をしてきました。毎日同じ時間に起きて会社に行って、帰る時間はまちまちだけど晩飯食ったらダラダラして概ね同じ時間に寝る、そんな生活を続けてきました。そりゃあ、会社に行くのがダルイときもあるし、やる気が起きずに職場で延々とネットの関係ない記事を読んでたりすることもあります。

でもこの生活を続けることに特に抵抗はありません。だって、楽だから。

会社に勤めていると、勝手に一日のスケジュールが埋まっていきます。朝起きる時間、夜寝る時間、会社に行く時間、会社から帰る時間、ご飯を食べる時間、風呂に入る時間、トイレに行く時間。深く考えなくても必然的にちょうどいい時間帯に必要な行動が収まっていきます。会社に行っている時間帯も、座っているだけで上から下から横から、やるべきことが湧いて出てきます。

自分は「することがない状態」がすごく苦手です。特別に何かやりたいこともないのだけれど、何もやることがないとものすごく不安になります。だから会社に行って一週間のうち5日は強制的にやることが埋まっていく生活はとても助かります。ある意味、暇を潰すために働いていると言っても過言ではありません。

だから自分はphaさんのような生き方が羨ましいとは思わないし、そういう生き方をしたいとも考えません。つまるところそれは、個人の価値観なんだと思います。どんなことなら堪えられて、どんなことは堪え難いのか、そのバランスが人それぞれ違っていて、進むべき道が変わってくるのではないでしょうか。

重要なことは、このような生き方をしている人がこの国にはいるということを理解して、受け入れて行くことだと思います。盲目的にこのような生き方を礼賛してはいけません。このような生き方をする人たちを頭ごなしに罵倒してはいけません。固定観念に囚われることなく自分にとって最も生き易い生き方を模索するべきなんだと思います。

自分の主義主張に囚われて粘着するようなイマイチな大人には読んで欲しくない一冊でした。

あともう一点、思ったこと。

phaさん的な生き方は、毎日会社に行って朝から晩まで働く大多数の人々がいるから成り立つものです。ブログやwebサービスからの収入は基本的に広告収入です。広告費は社畜たちが日々回している企業から拠出されるものです。欲しいものリストから物をあげるのも社畜たちが稼いだ金から生活費や必要経費を差し引いた余裕資金が原資になっています。結局そのように会社や個人にまだ余裕があるからこそ、彼らの生活が成り立っているのです。

それはすなわち、この国にはそれだけの余裕があることを表しています。むしろ、日本はこういう生き方が可能なだけの豊かな社会を手に入れたのだ、と言った方が良いかもしれません。

それを実現できるだけの先進的な社会を気付いてくれた先人たちに感謝することを忘れないようにしたいものです。

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