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突き詰めて考えてみると当たり前なんですけど、なるほどと思ったので書き留めておきます。

先日夏休みで旅行に行った際に撮影した動画をYouTubeにアップしていたところ、なにやら「パートナーになって収益化しませんか?」みたいなバナーが出ていることに気付きました。

そう言えばちょっと前に、YouTubeが収益化プログラムを一般開放したような話を聞いたなー、と思い出して、どうせほったらかしにしておくだけだし忘れた頃に小銭が入ってきたら嬉しいかもしれないなー、なんて思ったので、反射的に「収益化プログラムに参加する」的なボタンをポチっとしました。

もうあっけないくらいに簡単に手続きは終わって、何かよくわからないけどすごいなー、なんて呑気に考えていたわけです。

ところが翌日YouTubeから「収益受け取りに必要な情報提供のお願い」というメールをいただきました。特に問題ないと思いますのでメールを引用します。

今回は、商用利用の権利に関する情報が不足していたため、ご提出いただいた動画による収益受け取りは承認されませんでした。お手数ですが、お客様が動画コンテンツのすべての要素を商用利用する権利をお持ちであることを証明する資料をご提出いただけますでしょうか。それらの情報を基に再度審査させていただきます。商用利用する権利が必要な要素には、動画、画像、音楽、ビデオゲームの映像など、あらゆる音声および映像要素が含まれます。

で、この後に続いて、収益化が許可されなかった動画が記載されていたんですが、問題の動画はこれでした。

昨年、大曲の花火大会に行って撮影した動画でした。どうやら過去にアップロードした動画も基本的に全て収益化の対象になるようです。

困ったことにメールの内容だけでは何が問題なのか明確に記載されていなくて、しかも問合せ先も記載されていません。基本的にヘルプ記事やプロダクトフォーラムで自力で調べろ、という姿勢のようです。
こことか→YouTube で収益受け取りの対象にできるコンテンツ
こことか→YouTube 公式フォーラムへようこそ!

調べた結果、どうやら花火のBGMでかかっている音楽が他人の著作権を侵害していないことを証明する書面を提出しなければいけないようだ、ということがわかりました。具体的には原著作権者の承諾書とか、そのBGMが著作権フリーであることがわかる書面とか。

なるほど。確かにこの花火の演目はBGMと花火のコラボレーションからなる創作花火ですから、BGMで利用している楽曲を二次利用している形になりそうです。

正直言ってこの曲が誰の何て曲なのかもよくわからないし、どう許可を取ればいいのかもわかりません。そもそもこの動画を収益化してどれだけ儲かるかというと、1年間公開していて50回しか再生されていないわけで、もうこれ絶望的な数字なわけです。何とか原著作権者を見つけ出して許可を取ったとしてその労力に見合う可能性はほぼ確実にゼロです。

おそらく対応しなければYouTube側で収益化(すなわち広告の挿入)がされないだけで元の状態と同じままだと思いますので、このまま放置することにしました。

さて、せっかくなので、著作権法的にもう少し詳しく調べてみることにしました。

まず、この動画は私が撮影したものなので、私がこの動画の著作権者になります。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。

しかしこの動画には他の人の著作物である音楽がBGMとして挿入されています。これは「二次的著作物」に該当します。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
十一 二次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。

で、二次的著作物に関しては、その中で利用する著作物の原著作権者も同じ権利を保持しています。

(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

ですから、二次的著作物の著作権者である私が、自分の著作物に関する著作権を利用する際には、原著作権者の許諾を得る必要があるわけです。

いやー、インターネットと著作権の問題って奥が深いですね。とても難しいです。

そうは言っても、すでにインターネットが私たちの経済的もしくは文化的生活と切り離すことができないのは間違いなく、インターネットとコンテンツは切っても切れない関係にあり、コンテンツを正面から保護するのがまさに著作権なわけだから、何らかの形で折り合いを付けて行くしかないわけです。これだけ技術的進歩が速い分野では立法的対応もなかなか追いつきませんから、私たちインターネットユーザーが自衛するためにはケーススタディを積み重ねていくしかないのではないかと思います。

おまけに最近はアフィリエイトやら何やらで、ネットから少しづつお小遣いを享受しながら生きる方法論を実践する人たちも出て来ているわけで、商業利用か否かの線引きも曖昧になりつつあります。こういった新しい社会事情もさらに問題を複雑化させているように思えます。

まずは明確に法に反さない範囲でいろいろ試してみて、角が立ったらすぐ引っ込める感じで外郭を可視化していくのかなぁ、とぼんやりと考えています。

ちなみに、BGMなしで花火だけだとどうなのかと言うと、著作物に含まれないんじゃないかな、と思っています。著作権法では著作物は以下のようなものが例示されています。

(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物

あくまで例示なのでこれに該当しなければ著作物として認められないわけじゃないですが、何か違う感じがしますよね。何か根拠があるわけじゃないんですけど。

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