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2013年12月に放送されたNHKの土曜ドラマ『太陽の罠』を観たので感想など。ちなみにネタバレ満載ですのでご注意ください。

最近はめったにTVドラマをリアルタイムで観るともなくなったのですが、同業者の間で話題のドラマだったので録画して通しで観ました。と言っても全4回だからあっという間でした。

wana
NHK土曜ドラマ 太陽の罠
より

名古屋の電機メーカー、メイオウ電機が米国ゼスターリサーチから太陽光発電パネルの特許権侵害で警告を受けます。メイオウ電機の開発者で最近知的財産部に異動になった長谷川眞二は、産業スパイの疑いをかけられ、さらに開発部長の殺害未遂容疑などで追われる身となります。長谷川の疑いは晴れますが、自身のパソコンから営業秘密が漏洩していたことが発覚し、新婚の妻、葵に疑いを抱きます。結局、葵はパテントトロールの澤田と繋がっていて、メイオウ電機をハメるために長谷川に近づいたことが判明。ところが、葵は澤田を裏切り営業秘密の不正入手を告発しようとし、それを事前に察知したゼスターリサーチに消されてしまいます。最終的には葵の死を知った澤田が落ちて和解が成立。メイオウ電機は窮地を脱したのでした。めでたしめでたし。

パテントトロールという存在がテレビドラマで取り上げられることはそうそうないので、特許業界では今冬最注目のドラマでした。特に年配の方たちがfacebook界隈で歓喜していたのが印象深かったです。

実際に小道具として出てくる特許公報とかもそれっぽく作られていたし、訴訟になってディスカバリ(証拠開示手続)が入る場面など、知的財産関連の描写はとてもよくできていて大変感心しました。特許関連の描写が立派な分だけ、荒唐無稽なサスペンス要素がバランスを失していて、うーむ、とうならずにはいられませんでした。

どうやら特許考証に小説『パテントトロール』の著者、石橋秀喜さんが入られていたようです。多くの企業で知的財産部を経験された専門家のようですから、納得です。ちなみに『パテントトロール』も電機会社がパテントトロールに訴えられる話だった気がします。そして、終盤に物語を台無しにするどんでん返しが入るのも、このドラマと近いものがありました。

長谷川役の西島隆弘が初主演というのが話題だった模様。AAAというグループのメインボーカルだそうですが、私はさっぱり知らなかったので特に感慨はありません。ただ、劇中の長谷川はオタク気質な開発者という雰囲気だったので、ピアスの穴がとても浮いていたのだけは間違いありません。ああいうのはもうちょっと気を使っていただきたいところです。

周りを固めるのは、後任の開発部長に尾美としのり、殺されかける開発部長に伊武雅刀、パテントトロールに塚本高史、県警刑事に吉田栄作、米国弁護士に石田ひかり、などなど芸達者なキャスト陣で安心して観ることができました。

視聴率がどんなもんだったのかは知りませんけれど、特殊な世界と思われがちな特許関連の業界が多少なりとも世間一般で認知されるようになると、業界で飯を食ってる人たちもちょっとは肩身が広くなるかもしれないと思いました。


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