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人気Webサイト『Dr林のこころと脳の相談室』の電子書籍化です。大変興味深く読みました。

Dr林のこころと脳の相談室』は多数の著書がある精神科医、林公一さんが、読者からの質問に淡々と答える「精神科Q&A」がメインのコンテンツです。本日時点で2500を超えるQ&Aが掲載されています。

本書はこの「精神科Q&A」から厳選した55題をまとめた電子書籍です。

第一話は、本書のタイトルにもなっている『家の中にストーカーがいます』です。

林: 事実がこのメールの通りだとすれば、あなたのおっしゃるように、弟さんは統合失調症の可能性があると思います。
 しかし、どうもこのメールの内容は解せないところがあります。

(中略)

まさかとは思いますが、この「弟」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。

出典:【1087】家の中にストーカーがいます

『まさかとは思いますが、この~とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。』というフレーズは聞いたことがあったのですが、全文を読んだのは初めてでした。統合失調症の怖さや精神科医のプロ意識が感じられる名文句だと思いました。

本書では統合失調症、うつ病の本人や家族、同僚などからの生々しい相談が掲載されており、精神病の実態が浮き彫りになっています。また、著者の回答はプロとしての冷静な観察力と洞察力が発揮されており、感嘆します。

本書では「擬態うつ病」についても多く触れられています。昨今は「新型うつ病」という名称が定着していますが、著者は擬態うつ病と本当のうつ病は区別すべきであり、精神科医が安易にうつ病の診断書を書く風潮に警鐘をならしています。

統合失調症は、日本人の100人に1人が罹る病気であり、適切な治療をすれば必ず治るものと言います。いつ自分や身の回りの人が罹るかは運次第なのでしょう。まずは正しい知識を持って適切な対処ができるようになっておくべきなのだろうと思いました。


『ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記』小林和彦(著)
『累犯障害者』山本譲司(著)

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