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2014年1月19日、沖縄県名護市長選挙で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する稲嶺現市長の再選が決まりました。

 【名護市長選取材班】任期満了に伴う19日投開票の名護市長選挙は現職の稲嶺進氏(68)=無所属、社民、共産、社大、生活推薦=が1万9839票で、前県議で新人の末松文信氏(65)=無所属、自民推薦=の1万5684票を抑え、2期目の当選を決めた。
 稲嶺氏は、最大の争点となった米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題に「断固反対」し、保革を問わず幅広い支持層から票を集めた。

出典:【電子号外】稲嶺氏が再選 名護市長選 | 沖縄タイムス+プラス

言うまでもありませんが、米軍普天間飛行場の辺野古移設は、2013年12月27日に仲井真沖縄県知事が国の埋め立て申請を承認したことで既定路線となっていました。名護市民はこの動きに対してNoを突きつけたものと言えるでしょう。

 沖縄県の仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事は27日午前、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古への移設に向けた政府の埋め立て申請を承認した。既に承認する意向を固めていた仲井真氏は「承認書」に公印を押した。承認書は配送業者に託し、同日中に沖縄防衛局に届いた。これを受け防衛省は今年度中に代替施設の設計で契約を交わす。平成8年の普天間返還合意から17年で辺野古移設は進展する。

出典:沖縄知事が埋め立てを承認 辺野古移設 普天間合意から17年、年度内に設計契約

私は2010年10月頃から2011年の2月頃まで、約半年ほど仕事の関係で名護市辺野古周辺へ頻繁に訪問する機会がありました。訪問先の方々は大半が地元で生まれ育った住民の方々でした。

当時は民主党政権下ですから、鳩山元総理のハチャメチャな対応で普天間飛行場の移設問題がこじれにこじれていた時期です。那覇市内では県外移設を訴えるビラやチラシ、時にはデモ行進も見られました。

仕事で訪問しているので基本的に現地で話すのは仕事の話だけです。そうは言っても、顔を合わせる回を重ねるに従って、長い打ち合わせの休憩時間などにはざっくばらんな話もさせてもらう関係にはなっていました。

きっかけは休憩時間にビルのベランダに出たときだったと思います。訪問先のビルは海沿いに建っていて、そのベランダからは辺野古の海が一望できました。私たちはボケーっと海を眺めて、「きれいだなー」「きれいだねー」なんて話していたんですけれど、そのときに言われたのですね。

「あそこが例の埋め立て予定地なんですよ」

それはもう、すでにそこにあるのが当たり前のような口調で、特別な感情はまるでなく「今日はいい天気ですね」「ええ、海がきれいですね」といった会話と特に違いのないものでした。

「あぁ、あそこに来るんですか。那覇の方も盛り上がってましたね。」

普段はデリカシーがないと言われる私ですが、さすがに偏った話をするのは危険だと判断しまして、できるだけ客観的に話せる話題を振ってみたのでした。

このとき私は正直言って、那覇から名護への移動の途中で普天間飛行場の真横をしょっちゅう通過していて、あそこにあるくらいなら多少環境に問題があってもこっちに移した方がいいだろうと思っていました。

「あの人たちは内地からやってきて騒ぐだけだからすごく迷惑してるんです。基地が来るのは仕方ないと思ってます。普天間飛行場よりこっちの方がずっとましです。友だちや親せきもキャンプシュワブで働いてるし、基地がなくなる方が困ります。」

その話が地元でどれだけ支持されるものなのかわかりません。名護市長選では基地利権を露骨に訴えた自民党候補が移設反対派の現市長に敗れたわけだから、どちらかと言うと少数派の意見なのかもしれません。

そこに基地があってそれを前提にした生活が成り立っている以上は受け入れるしかないという諦観を持っているように見えました。むしろ後の生活のことを考えずに無責任に基地反対を叫ぶ内地から来る人々には明らかな嫌悪感を持っていました。

考えてみると、私の生まれ育った地域には、米軍横田基地がありました。最近は変わってきていると思いますが、私が子どもだった80年代頃には、昼夜問わず戦闘機が上空を飛び交っていたのを覚えています。

より基地に近い隣の小学校は防音のための二重窓とエアコンが完備されていました。当時は米軍が金を出していると聞いた記憶があったのですが、いわゆる思いやり予算から日本国が拠出してたんじゃないかと今にして思います。真相はわかりません。

私からすると、横田基地はすでにそこにあるもので、そりゃ戦闘機が落ちたら嫌だけど、どうしようもないものと思っていました。夜テレビを観ているときに戦闘機が通って音声が聞こえなくなるのも迷惑ではあったけれど、そんなもんだと思っていました。私にとっては、横田基地にまつわるすべての事象は、小学校への通学路に川が流れていて橋を渡らないと学校に行けないのと本質的には大差なく、所与の事項でした。

私の記憶の限りではここ40年の間では横田基地で墜落事故は起きていませんから、たびたび墜落事故が起きている普天間飛行場とは事情が違うと言われればそれまでですけれど。

たぶん米軍基地はない方がよいです。米軍に限らず軍隊はないのが理想的です。でも強大な軍事力を有する隣国に囲まれる中で一方的になくしても、安全が保たれる保証はないです。現状では自衛隊は対外的には完全に無力です。諸外国の脅威から安全を保証するには米軍の存在は不可欠です。

考えれば考えるほど抜本的な解決策はないように思えます。たぶん時間が解決するのを待つしかないです。それまでは地道に国全体として負担の総和が最小になる方向で改善を続けるしかないんだろうな、と思います。

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