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2012年8月31日、『偽造品の取引の防止に関する協定』(通称:ACTA, Anti-Counterfeiting Trade Agreement)が衆議院外務委員会を通過しました。あとは衆議院本会議を通過すれば批准という状況になっています。(参議院は2012年8月3日に通過済み。)


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本日の委員会の様子はtogetterにまとめられたものが確認できます。自民党他野党議員は欠席、民主党大泉委員と村越委員の質問に対して、玄葉大臣他は「問題ない」「批判は誤解」の一点張りのようです。
衆議院外務委員会、ACTA締結を承認(2012/08/31) #acta – Togetter

ACTAに関する外務省の公式情報はこちら。条文の日本語仮訳もあります。
外務省: 偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)

ACTAについては多くの有識者が懸念を述べています。概略や問題点などは私が拙い文章力でまとめるよりは、こちらを参照された方がはるかによくわかると思いますので、省略します。
山田奨治 BLOG 日本ではわからないACTA:欧州各国での抗議デモについて
忘れっぽい日本人といつまでも覚えている欧州人 – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
欧州議会のACTA否決で深まる日本の“監視・検閲型”知財政策への疑念 – ガジェット通信
第278回:欧州議会における海賊版対策条約(ACTA)の否決: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言

国際的な状況について簡単に触れておきます。まず、最終的にACTAに署名したのは30か国(日本・米国・EU(27か国中22か国)・カナダ・韓国・シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド・モロッコ)です。この内6か国が批准すれば条約として発行することになります。しかし、すでに7月4日(現地時間)にEU議会が否決しているので、EU(22か国)の批准はありません。つまり残り8か国のうち3か国が否決するとACTAは廃案となります。

仮に6か国以上が批准をして発行したとしても、中国をはじめとするBRICs諸国もEU各国も参加しない国際条約にどれだけの実効性があるか、大変疑問です。

日本では平成24年著作権法改正で、すでにACTAが求めるレベルの法整備が完了しているということになっています。これはACTAが発行しようがしまいが当面は私たちの生活に大きな影響はないことを意味するはずですが、引き続き注意が必要だと思います。

個人的には、ACTAが発行しなかったとしても、このように世界中から反発を呼ぶような条約を日本が提唱し、かつ率先して批准した事実自体が、国際社会においてよくない印象を与える可能性があり、憂慮すべき事態だと考えています。

例えば欧州では欧州議会に対する請願署名が280万筆に達しており、これが欧州議会による否決に向かう大きな力になったと言われています。

一方で日本の反ACTAオンライン署名サイトでは34,584筆(※1)しか集まりませんでした。
※1:2002/8/31 15:00現在

DDoS攻撃などの妨害行為によりサーバ移転を余儀なくされたり署名を停止したりした事情があったようではありますが、そのような妨害行為が起きたという事実と、34,584筆しか反対署名が集まらなかったという事実とは、国民の総意としてこのような政策を推進もしくは容認していると国際社会から見られても仕方ないでしょう。大変残念です。

本会議の採決日程は今のところ情報がありませんが、会期は9月8日までありますから、今国会中に批准されるのは間違いないでしょうね。返す返す残念です。

※追記(2012/9/6 22:00)
衆議院本会議で無事承認されました。日本はACTA批准第1号国となりました。
偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)が恙無く批准された感想など

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