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このたび、東京都世田谷区の一人住まいの部屋を引き払い、埼玉県入間市の実家へ戻ることになりました。

就職に際して東京都内に居を構えてから15年になります。実家に戻ることになるとは先月までは考えもしませんでした。

理由は簡単で、父が亡くなって、実家に母が一人になってしまったから。

一時は家族四人で暮らした家に年取った母が一人で暮らす状況を放置するのは忍びなく、日々心配しながら離れて暮らすよりも、いっそのこと一緒に暮らした方が全体として最も最適な選択だろうと判断しました。

私の実家は大変不便な立地でして、最寄駅から徒歩20分掛かります。しかも山中の坂道を越えないといけません。父が地元の工場へマイカー通勤していたので、電車を日常的に利用する生活は想定していなかったようです。

正直言って、坂道を20分歩いて電車に1時間強乗って通勤するのは気が引けました。例えば、もう少し通勤に便利で、かつ実家に通いやすい場所に引っ越すという選択肢もありました。いっそのこと市内で駅近の中古マンションを買っちゃおうか、とかも考えました。

でも、いくら近くに住んでいたとしても同じ屋根の下に暮らしていないとどうにもならないことがあるということを、父の死から学びました。今でも自分が家にいたら父を救うことができたのかもしれないという思いもあります。もし父と同じことが母に起きたとき、一人暮らしであったら誰が気づいてあげられるのだろうか。

他にも躊躇する理由はいくらでも出てくるのでした。例えば、いい歳して実家に住んでる男ってどう見られるんだろうな、とか。婚活的なことを考えるならば、ほとんど母との同居が条件になるような男のところに嫁に来る奇特な人など現れないだろうから絶望的だろう、とか。結婚を諦めて同居するよりもいち早く嫁を取って孫の顔を見せてやる方が親孝行なんじゃないか、とか。

でも、全部自分が少し我慢すればすべてが丸く収まることなのです。私が将来に向けたいくつかの期待を諦めれば、母や兄、祖母や伯父叔母たちみんなに安心してもらえるはず。ちっぽけな私の希望よりもはるかに価値のあることに思えました。

そんなわけで、実家に帰って母と同居することにしました。これが最も正しい選択なのかはわかりませんが、間違いなく言えるのは、今そうしなければ数年後に絶対後悔するだろうということです。

だから、実家に帰らせていただきます。


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