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父が亡くなって母が実家で一人になってしまったので、実家に戻って母と同居することになりました。

母は現在71歳。今後は父の遺族年金と自身の厚生年金を受給して生活していくことになります。ざっくり年額230万円ほどになる模様。あとは父が遺した株の配当が年30万円ほどになりそう。

ぶっちゃけた話、持ち家はあるし、金のかかる趣味もないし、母子二人で慎ましく暮らしていく分には十分な金額です。仕事しなくてもいいんじゃないかという気にもなってきます。辞めないけど。

世の中にはいわゆる扶養家族という制度があるらしいという噂は聞いていたものの、社会に出てからずっと一人で生計を立ててきたのでさっぱり実体がわかりません。なんだかお得そうな印象はありましたので利用できるならと利用したいと思い立ち諸々調べてみました。

結論から言うと、わが家の場合は扶養家族にはできないようでした。

検討すべきことは3つ

私は根本からまったく理解していなかったのですが、扶養家族というのは戸籍みたいな一般に通じる身分ではなくて、いろいろな社会制度のそれぞれで規定される制度全体を指す俗称です。

具体的には、税法では「扶養親族」、健康保険では「被扶養者」、国民年金では「第3号被保険者」と呼ばれる制度たちです。

制度ごとに扶養家族に該当するための基準が規定されるので、ある制度では扶養家族になるけれど、他の制度では扶養家族にはならない、ということが起こり得ます。

扶養家族になるかどうかが影響する社会制度は大きく3つあるようです。(参考

  1. 税法上の扶養控除
  2. 社会保険(主に健康保険)
  3. 企業等の福利厚生

以下、順に見ていきます。

税法上の扶養控除

扶養親族がいると所得税の扶養控除が受けられます。扶養親族の定義は以下のようになっています。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

出典:No.1180 扶養控除|所得税|国税庁

38万円って少ないなーと思ったのですが、非課税所得を差し引いた所得金額ということで、例えば、遺族年金のみを受け取っていてその他に所得がない場合には扶養親族とすることができるようです。

Q5
 生計を一にしている母には、厚生年金法に基づく遺族厚生年金が120万円程度あります。母には他に所得はありませんが、私の扶養親族とすることはできますか。
A5
 扶養親族や控除対象配偶者に該当するか否かを判定する場合の合計所得金額には、所得税法やその他の法令の規定によって非課税とされる所得の金額は含まれないことになっています。
 厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金や国民年金法に基づく遺族基礎年金などは非課税所得ですから、お母さんの合計所得金額は38万円以下となります。したがってお母さんが他の人の扶養親族になっていなければあなたの扶養親族とすることができます。

出典:非課税所得(遺族厚生年金)と扶養控除

具体的な非課税所得は、こちらの第1章第3節「2 非課税所得の種類と根拠」に載っていました。

参考:所得税法|税大講本|税務大学校|国税庁

わが家の場合は、母の厚生年金が100万円程度あり、かつ株の配当も結構あるので、いずれにしても対象外でした。

社会保険

扶養家族は被保険者の健康保険に入ることができます。被扶養者が増えても保険料は変わりません。

被扶養者にするための認定基準は、加入している健康保険組合によってだいぶ異なるようです。

私は現在個人事業主に雇用されている身分でして、健康保険は全国健康保険協会(略称、協会けんぽ)に加入しています。保険組合を持たない中小企業等の従業員が入る、日本で一番加入者の多い組合とのことです。参考になる方もいるかもしれません。

協会けんぽでは、以下の条件のいずれかに該当する場合には、被扶養者とすることができます。

  1. 被保険者の直系尊属、配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で、主として被保険者に生計を維持されている人
  2. 被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人
    1. 被保険者の三親等以内の親族
    2. 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
    3. 2の配偶者が亡くなった後における父母および子

出典:被扶養者とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

直系尊属も含まれていますので、親や祖父母をでも対象となります。

ここで重要なのは「主として被保険者に生計を維持されている」の基準です。世帯が同一か異なるかで基準が違います。以下は「認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合」の認定基準です。

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。

出典:被扶養者とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

認定対象者は60歳以上ですから年間収入が180万円未満でなければいけません。こちらも、母の所得金額が多すぎるので、被扶養者とすることはできませんでした。

ただし母は戦中生まれで年金はかなり優遇されている世代のようだし、結婚前に厚生年金を払っていた期間も長かったので通常よりも年金額が多い可能性が高いです。世間一般では被扶養者にできる場合が多いかもしれません。

福利厚生

これは完全に勤め先の制度なので確認してもらうしかありません。一般的には「家族手当が支給されるのか?」などが関心事になるようです。

私の職場では一切の手当は存在しません。ご自身のお勤め先へご確認ください。

結論:年金生活者を扶養家族にできるケースは結構多そう

わが家の場合は親がぎりぎり年金の有利な世代であり、そこそこの有価証券もあったので所得が多く扶養家族にはできませんでした。

しかし、例えば、個人事業主で生計を立てていたため国民年金しかもらっていないとか、母親が完全に生涯専業主婦で遺族年金以外に収入がないとか、貯蓄は定期預金しかないとか、世の中の多くの家庭ではもっと所得が少ないと思われますから、所得税や健康保険で扶養家族とできる場合は多いと思います。

結論としては、わが家はわりと恵まれている方だということになりました。そんな実感はありませんけども。


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