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思わぬところから母校がdisられていたのでちょっと思うところを書いてみます。

このような現状について、早稲田大学に通う学生たちはどう考えているのか。特に、社会のルールである法律について学んでいる法学部生はどう思っているのだろうか。そう考えて取材したところ、コピペ文化ならぬ「モカイ文化」というものが学生の間に広がっていることがわかった。

出典:小保方晴子さん「コピペ論文」で揺れる早稲田大学 法学部に広がる「モカイ文化」とは

STAP細胞の一件の余波で、早稲田大学の一部の研究室で博士論文に大量のコピペがあったことが判明したわけですが、理工学部のみならず法学部にも「モカイ文化」と呼ばれる怪しからん文化がはびこっているという記事でした。

「モカイ」とは模範解答の略称でありまして、法律系のサークルを中心にして試験で出題される定番問題について作成された模範解答が先輩たちから代々受け継がれており、これを丸暗記で単位を取得する学生が後を絶たないという内容でした。

かくいう私もかれこれ15年以上前に早稲田大学法学部を卒業したわけですが、その当時からこういうものが存在することは知っています。私は法律系サークルにも入っていなかったし学校に友達もいなかったので、本物の模範解答というものを目にしたことはありません。

ただ、話に聞く限りではこの「モカイ文化」とやらは別に法学部に限った話ではなくて、試験の過去問とか模範解答というのはどの学部でも代々受け継がれたものが存在していたものと記憶しています。

そんな私が記事を読んだ感想は、「だから、何?」ということです。

私は法学部も卒業していますし、法律系の論文試験がある国家試験を合格していますけれど、法律系論文の基本は「キーフレーズの当てはめ」です。

法律というのはすべて人間が作った決まり事です。自然法則のような絶対的な規律は存在しません。人類や国家の歴史的な背景を踏まえて、最も妥当と思われる規範があって解釈がされることで運用されています。

そこには発見というものはあり得ません。すべては先人が遺した考え方に立脚して目の前の問題に適用すべく新たな規範(法律や条例)が作られ、解釈(判例や学説)がなされます。つまり、すでに存在する規範とその解釈を知ることからすべてが始まるわけです。

学部レベルの試験や資格試験で問われる内容というのは、一定の結論が出ている問題です。学部生ごときが独自の理論を展開したところで、採点する側からしたらこの学生はちゃんと勉強していないという評価をする以外ありません。すでに結論が存在している限り、自分の頭でひねり出そうが模範解答を丸暗記しようが解答用紙に表れる内容に違いはありません。

むしろ人文系の学問では専門用語の使い方が重要で、いくら正確に理解をしていて自分の頭で論理展開をできても用語遣いがイマイチだと評価されません。逆に、よくわかってなくても専門用語を並べ立てると少なくとも素人をごまかすことは容易です。新聞の記事が一見それっぽいのにプロの目から見るといい加減なことを書いているのがわかるのと同じです。

模範解答の丸暗記は法学教育において一定の意味はあると私は思っています。特に批判されるようなことではありません。法律系の資格試験でも基本レジュメと呼ばれるテーマごとの小論文を頭に叩き込むことから勉強が始まるのです。

自らの研究結果を発表するのに他人の言葉を借りるのと、他人が考えた結論を問う試験でその結論を覚えるのとでは、同じ土俵で論じる性質のものではありません。「小保方」の名前を入れれば注目を集めやすいのはわかりますが、本来無関係なものに話を広げるメディアの姿勢には非常に疑問を感じます。

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