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ダメもとで申し込んだら当選したのでこちらのイベント参加してきました。
20120529075504

東京国際フォーラム開館15周年記念
マイケル・サンデル特別講義@東京国際フォーラム
「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」

史上最大5000人の白熱教室 参加者を募集

テレビ放送、書籍化・DVD化など、諸々の企画があるので撮影・録音は厳禁とのことで、講義の様子は撮影できませんでした。残念。まぁ、二階席だったので米粒とは言わないまでもかなり小さくしか見えませんでした。撮影できたとしても鑑賞に堪えるものにはならなかったと思います。

イベントの概要

定員5000人の東京国際フォーラム・ホールAで行われたのですが、開演の段階でほぼ満席になっていました。みんなサンデル教授が大好きです。時間帯が平日の19:00から22:00ということで第一部と第二部の間の休憩中に帰った人も多かったです。自分の感覚では、終了時点では1割くらいが空席になっていた気がします。ちなみに終了したのは30分押しで22:30でした。

ネタばれにならない程度に内容に触れておきます。今回の講義は二部構成になっていて、第一部は市場主義の限界について、第二部は震災からの復興、特に原発事故に関連する諸問題について、がテーマになっていました。第一部は、最近発売された最新刊のプロモーションを兼ねた内容なのだろうと思います。実際に会場内で販売していました。

いずれも基本的な流れは変わらなくて、最初にサンデル教授が二択で設問をして、観客が自分の考えに近い方をパンフレットを掲げることで意思表示をします(パンフレットは表が赤で裏が白になっていました)。大体の傾向を見た後で、サンデル教授がそれぞれの立場の人の意見を聞いていき、場合によっては参加者同士で議論をさせます。その議論の中からまた次の設問が提示されるという流れでした。端的に言えば、テレビでやってた通りということです。

提示された設問は以下のようなものでした。

第一部

  • 自分の住む町の名前を企業に売るのは許されるか
  • コンサートのチケットをダフ屋から買うのは許されるか
  • 病院の待合室の順番を買うのは許されるか
  • 大学に多額の寄付をして入学することは許されるか
  • 子供に勉強させるために小遣いを与えることは正しいか

第二部

  • 震災がれきを全国で処理すべきか、被災地の中で処理すべきか
  • 原発の再稼働の賛成か
  • 原発の再稼働は中央政府が決定すべきか、地元自治体が決定すべきか
  • 東電の電気代値上げは許されるか
  • 今後災害が発生したときに政府の発表する情報を信じるか、ネットの情報を信じるか
  • 原発事故は地震や津波による必然だったのか、政府や東電に責任があるのか

サンデル教授の講義の特徴

個々の内容については今後のテレビ放送や書籍化に譲るとして、全体的に感じたことをまとめておきます。サンデル教授のどの辺がすごいか、考えました。

シナリオに合うように意見を引き出す

テレビ番組とかのイメージでは、討論形式でサンデル教授がいろいろな意見を引き出していくような印象を持っていました。でも実際に生の進行を見ていると、基本的にサンデル教授のシナリオに沿った意見を言う人(もしくは引き出せそうな人)を選んで議論を誘導していく感じがしました。

確かに設問とは的外れなことを言う人もいたし、ちょっと角度を変えて掘り下げようとしても緊張のせいか同じことを繰り返すだけの人もいて、そういった人はすぐに見切って他の人に移るわけです。逆にちょっと最初は違うかなと思っても、掘り下げてみると違う方向からの意見が言えそうな人とかは、自分の予定している意見を引き出せるまで辛抱強く誘導している感じがしました。

そういう意味では参加者たちは自分の意見を言っているようでいて、サンデル教授の講義の一部、悪く言えば小道具、にされているような気がしました。

結論は出ない、というか出さない

これはテレビでも感じていたことですが、基本的に設問に対して答えは出ません。サンデル教授自身としてどう考えているかという立場も一切表明されません。もちろん簡単に答えが出るようなテーマは扱われていないわけなんですけれど。

そもそもこの講義が最も狙っているところは、多くの人間が共同体として生活していく中で、絶対的な正解が無い問題に対してどのように集団の意思を形成していくのか、いくべきなのかを体感させることなのだと思います。そうであれば、圧倒的多数で意見が集約されるようなテーマでは意味がないし、専門的に過ぎて多くの人が興味を持たない類のテーマも設定しづらいのでしょう。結論が出てしまうと人間はその結論しか頭に残りません。最終的な結論が出ないことで双方の言い分が均等に頭に残るし終わった後も考え続けるようになるのではないでしょうか。

そういう絶妙なテーマの設定と、自分たちで考えて意見を集約している感を醸し出させるシナリオ進行の妙が、何だか頭を使っている感とか賢くなったような気分だとかを与えているのではないでしょうか。

ショーとしては大変面白いと思います。昨今の意識の高い学生・ビジネスパーソンたちのニーズにぴったり合っています。ただ、大学の授業としてはどうなんでしょうね。ハーバードではどうやって単位を認定しているんでしょうか。少なくとも日本の大学みたいに授業で出たテーマは出ないんだろうな、という気はします。

この特別講義の内容は、6月16日と23日の2回に分けてNHKで放送されるそうです。興味のある方はぜひご覧ください。ステマではありません。

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