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周囲で話題になっていたので『資格を取ると貧乏になります』を読んでみました。刺激的なタイトルであります。

本書は、弁護士、公認会計士、税理士、社労士といった難関資格を取り上げて、これらの資格取得者の苦しい生活ぶりを追ったものです。

弁護士や公認会計士が制度改革で需要以上に合格者を出し過ぎた結果、新たな合格者たちが仕事を取れず苦しい状況にあることは近年頻繁に目にすることです。税理士や社労士は昔から資格を持った上で競争の激しい世界であることは知られていることだと思っていました。

各資格職で、仕事がない若手がどのような仕事を食い扶持にしているのかを丁寧に取材しているところは興味が持てるところです。例えば、弁護士ならここ数年は過払い請求訴訟で何とか食えたけれど案件も枯渇して来て、今度は原発事故の補償金周りに動いているとか、回転寿司屋を始めた弁護士事務所の話とか。

それでも弁護士はまだよい方で、公認会計士や税理士、社労士はどうにもならなくて資格を捨てて企業に就職するしかないような印象を持ちました。上が詰まって若手に仕事が回って来ないのは、少子高齢化に苦しむ日本社会の縮図みたいな話です。

そうは言っても少なくとも従来の仕事のパイは依然として残っているわけで、一定の新陳代謝は自然と発生しますから、若くても優秀かつ幸運な人たちは安定したキャリアを積んでいるはずです。そうしたところに触れずに、これらの資格職が全滅みたいな論調はあまり感心できないと思いました。

「資格を取ると貧乏になります」ではなくて「資格を取っても必ずしも金持ちになれるわけではありません」とすべきでした。それで売れるかどうかはわかりませんが、そろそろ新書の釣りタイトルはいい加減にして欲しいものです。

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