スポンサードリンク

数年前に話題となった『高学歴ワーキングプア』の続編です。高学歴ワープアのうち特に女性に焦点を当てた内容です。

前作の書評はこちら→『高学歴ワーキングプア』水月昭道(著)

前作の著者である水月昭道氏と、大学院博士課程に進学した”高学歴女子”である大理奈穂子氏、栗田隆子氏のお二方が自身の経歴や現状を踏まえて、高学歴女子の厳しい生活をレポートするものです。さらに、”アート系高学歴女子”としてアーティストから文筆活動へ舞台を移しながら非常勤講師を長年務めている大野左紀子氏のエッセイが収録されています。

本書は大里氏が『高学歴ワーキングプア』に対して、「男性中心的で実態の反面しか説明できていない」と批判したことが発端となったようです。

高学歴に限らず職場での男女格差は問題であることは認識していますが、本書を読む限り高学歴ワーキングプア特有の問題がどこにあるのか今ひとつ読み取れませんでした。「高学歴ワーキングプアの厳しい労働環境」+「女性の厳しい労働環境」を単純に加算した状況がそこにあるという理解をしました。

それは確かに気の毒な状況だとは思います。しかし、前作を読んで感じた「でもそれ、自分で選択した道でしょう?」という感想がどうしても晴れません。長い人生、どんな選択をしても安全な道はほとんどありません。どんなに安定している大企業でも数年後に跡形もなくなっていることを私たちは知っています。高い志を持って職業を選択しても生活保護ギリギリの生活を余儀なくされる人も多くいます。みんな自己責任の世界です。

どうもこの二作で登場する著者たちは「高度な学問を修めた自分たちを活かせない社会に問題がある」という意識が根底にあるように感じました。私の率直な意見は逆です。自分の能力を社会で役立てられないなら、それはあなたが無能だということでしょう。

前作は水月昭道氏が自省的に筆致を進めていたことが幸いして非常に高学歴ワーキングプアの客観的な問題点を浮き彫りにできていたように思いました。本作はまったく逆で、大里氏や栗田氏の感情的な(主に自虐的な)言葉が随所にちりばめられていて客観的な記載の部分すらも素直に受け止め難い面がありました。

正しいことは正しい方法で訴えなければ理解を得ることはできません。本書はそれを実例として気付かせてくれた点では読んだ意味がありました。

追記

栗田隆子さんからご批判をいただいたのでお返事を

LINEで送る
Pocket