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三国志のLINEスタンプを開発した著者による、横山光輝三国志の名言名場面解説書を読みました。

私も子供の頃から横山三国志には慣れ親しんできまして、最近実家に戻ったもので本棚に並んでいた文庫版全30巻を始めから再読しているところです。

もちろんLINEスタンプも愛用しています。個人的には張飛の「世の中なめるんじゃねぇ」と劉備の「よろしくお願いいたす」がお気に入りです。

タイトルにもなった有名な司馬懿忠達の「待てあわてるなこれは孔明の罠だ」は、健興7年4月祁山夏の陣でのこと。

守りを固める司馬懿に対して膠着状態を脱すべく、孔明が陣払いをして魏軍をおびき出そうとしたとき、追撃を主張する張郃に対して司馬懿が引き止めるときのセリフです。

結局、気がはやる張郃に負けて出陣を許した司馬懿は、孔明の策にはまり惨敗し大きな被害を出すのでした。

個人的に好きなのは、孔明のこのセリフ「なんたる小児病的な発想だ」

職務怠慢で罰を受けた苟安が魏に下り、司馬懿はこれを利用して蜀の都成都に「孔明が謀反を企んでいる」との噂を流布します。これを真に受けた皇帝劉禅の勅命により、孔明は勝利目前にして兵を引き上げざるを得なくなりました。帰国した孔明は噂の出元を調査し、劉禅へ撤退を勧めた側近たちに対してこのセリフを放つのでした。

この場面での側近たちとのやり取りは非常に含蓄があります。声に出して読みたい。

側近「国民は戦続きで疲れはててございます
   戦いがおわれば暮らしも楽になり
   国民すべてが以前のような栄耀がみられまする」

孔明「なんたる小児病的発想だ」

側近「小児病的発想ですと!」
側近「それは少し言葉が過ぎませぬか」

孔明「ならば聞こう
   我らが戦いから手を引けば 魏は攻めてこぬか
   呉が戦を持ち込んでこぬか」
  「好むと好まざるとにかかわらず敵は蜀内に入ってくる
   すると戦場はこの蜀国内となる
   国内まで攻め込まれて国が守れると思うか」
  「家は戦火に焼かれ 掠奪凌辱のうき目に会い
   家も国家も蹂躙され 民は奴隷に落とされる
   その惨禍は祁山に出て戦う百倍もひどいものとなろう」
  「そち達はそれでも目先の楽を選ぶと申すか」

側近「……」

出典:横山光輝『三国志』、「噂を裁く」、文庫版第28巻、279-280頁

昨今のわが国の安全保障問題にも通じる重みのある言葉だと思います。(わが国が隣国に攻め入るべきという主張ではありません、念のため。)

三国志全巻を読破するのは相当に骨ですけれど、三国志の魅力を短時間で大掴みにするには本書はよく構成されていると思います。

ぜひ三国志スタンプの第二弾も検討していただきたいものです。

よろしくお願いいたす。

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