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若者世代の投票率が低いために若者向けの政策がないがしろにされている、若者世代が政治に関心を持って投票しに行けば若者向けの政策がもっと充実するはずだ、といった言説をよく目にします。

政治家は選挙に落ちればただの人どころか無職のニートですから、少しでも票を集められるように投票が見込める層に耳当たりのいい公約を打つのは理解できます。なので、投票率の高い年代に厚い政策が充実するというのは一見正しそうにも感じられます。

でも、何となくすっきりしないところもあります。この論理だと前回の選挙で投票率の高かった世代に対して有利な公約が多く掲げられることになるわけだけれど、選挙ってそれほど頻繁には実施されないし、みんなが高齢者向けの政策ばかりを訴えているのであれば、若者向けの政策を訴える候補者に対して若い世代の投票が集中することになるわけだから、若者向けの政策を訴える議員が一定数誕生するはずです。

また、若者向けの政策、高齢者向けの政策と言うのは簡単だけれど、本当に若者だけが得する政策や高齢者だけが得する政策なんてそんなにはありません。例えば、若い人でも高齢の親と同居している場合には高齢者が優遇されると恩恵を受けることだってあるでしょう。逆も然りで、若者向けに子育て支援の政策が通ったら、両親共働きで孫の世話をする祖父母たちにも恩恵があるはずです。

だから、いくら若者の投票率が高くないとは言っても一定数の若者寄りの公約を掲げる候補者は当選するはずで、若者の投票率が低いことが若者向けの政策が薄くなることの絶対的な理由というのは成り立たない気がします。

それで話は飛ぶんですが、小渕優子さんの件ですよ。

小渕優子さんが選挙資金の収支が実態と合わないとして経済産業大臣の職を辞任したわけですが、この件を見ていて感じたのは、小渕さんのように若い政治家であっても後援会や支持者層は結構な高齢者が多いんだな、ということです。もちろん世襲議員として父親の代からの支持層もあるんでしょうけど。

何しろ問題の中心は後援会主催の「観劇会」です。この観劇会は毎年行われているようですが、平成26年の場合は地元群馬県から観光バス26台を繰り出して東京の明治座を貸し切りで天童よしみ主演の演劇を観賞したとのこと。開催日は10月8日(水)です。平日に一日かけて天童よしみの演劇と言われて参加するのは生活に余裕のある自営業者か年金生活者くらいでしょう。少なくとも小渕優子さんと同世代の30~40代の参加者がそんなにいるとは思えません。とすると小渕優子さんの周囲には60~70代の高齢世代が1000人単位で集まっているというわけです。

政治家は庶民の声を吸い上げるために政策報告会とか勉強会とか地元で開催していると思うんですけれど、中央での仕事が多い国会議員などは地元の後援会と密に連絡を取って政治活動をしているのだと思います。つまり、政治家本人へ入る情報はある程度後援会の意向でコントロールできるはず。その後援会が高齢世代で固められていたら、その世代の問題意識が強く刷り込まれていてもおかしくありません。

ということは、逆に考えると、若者向けの政策を充実させるためには、若者世代は選挙の日に投票所に足を運ぶなんて生易しいことを言っている場合じゃないということです。選挙があろうがなかろうが普段から積極的に地元の政治家の後援会に入って勉強会や報告会などに顔を出すなどして、政治家たちにすり寄って要望を伝えなければいけません。繰り返し繰り返し実情を訴えて政治家たちに問題意識を植え付けないといけないのです。

政治家たちに若者向けの政策を充実させるためには、投票率を上げるくらいでは到底かないません。みんなで後援会に入って丸めこまないといけません。高齢世代は意識してか無意識にかはわかりませんが、そうやって既得権を手にしてきたのです、きっと。

若者向けの政策を実行させるためにやらなければいけないのは、若者自身が積極的に政治活動に参加することです。それは意識は高いが資金力も人脈もない若者が無謀に立候補することではなくて、すでに政治に必要な力を持っている有力な政治家にすり寄って意識を変えさせることの方がずっと近道なんじゃないかと思うのです。

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