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消費税増税の行方が国民の最大の関心事となっている昨今ですが、それがきっかけというわけでもないですが『日本の税金』という本を読みました。

本書は日本の税制について網羅的に解説する書です。著者は青山学院法学部の教授で弁護士。政府税調の委員でもあります。

第一章では所得税。第二章は法人税。第三章は消費税。第四章は相続税。第五章は間接税(酒税やたばこ税)。第六章は地方税。第七章は国際課税。それぞれの現況と問題点が簡潔にまとめられています。

著者が弁護士だけあって、各税の課税根拠が解説されているのが目から鱗でした。今まではこの国に生まれて暮らしている以上、税金を納める(取られる)のは所与のことで、そこに理由があることは考えたことがありませんでした。国家が存在して国民に便益を提供する以上はコストがかかるもので、あとはそれをいかに不公平感なく分担するか、というある種テクニカルな話だと思っていたわけです。

そうした私の感覚は、本書のあとがきでも一番に問題にしていて、日本国憲法の下では主権者は国民であるのに、税金に関しては王様が税金を徴収するのと同じ感覚が今だに支配的なのではないかと指摘しています。なぜ収入があったら所得税を課されるのか、なぜ物を売買したら消費税が課されるのか、なぜ親が死んでその遺産を引き継いだら国へ税金を納めないといけないのか。今まで疑問に思わなかったのが不思議なくらい不自然なことです。

本書は旧版が2003年、新版の初版が2012年発行です。消費税の増税議論は特に触れられていませんが、逆進性や滞納、軽減税率や給付つきなど、現在議論されているテーマは大体カバーされています。正直言って一読しただけでは半分も理解できていない気がしますが、日本の税金の全体像と現代の課題をざっくり抑えるには非常によくまとまっていて良書だと思いました。

この国で生きている以上、ほとんどの人にとって税金を納めることは避けて通れないことです。わけもわからずにただ取られ放題であるよりも、理屈を知った上で取られる方がまだましな気がしてきました。折りを見て再読しようかと思っています。

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