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2013年4月から2年間、フルタイムで働きながら大学院に通ってきまして、先日無事に修了しました。大学院通学を検討している社会人の方にとって参考になれば幸いです。

どれくらい時間が必要か

修了要件は、2年間で42単位の取得と修士論文の提出の2つでした(正確には46単位の取得で修了、うち4単位が必修のゼミ、論文がゼミの単位要件)。

講義は平日夜間(18:30~、2コマ)と土曜終日(9:00~、5コマ)。2年次は研究が主になるので1年次に多めに講義を取る必要があります。私は1年次に40単位、2年次に20単位の講義を取りました。1年次は平日3日と土曜日、2年次は平日2日と土曜日という感じでした。登校しない日は仕事の遅れを取り戻したり講義の課題に取り組んだりするので、学期中は週6日仕事と学業で潰れる感じでした。

夏休みと春休みは2ヶ月ずつありますが、1年の春と2年の夏は研究を進めることに費やすので、実質的には1年の夏しかまとまった休みはありませんでした。

どれくらい学費が必要か

私立なので入学金と授業料の総額で300万円ほどかかりました。これには施設使用料と称する金額も含まれます。私は全額キャッシュで払いましたが、無利子の貸与奨学金が用意されていて申請すればほぼ通るようになっていたようです。

私の場合は仕事に直接関係のある分野だったので、特定支出控除(研修費)で確定申告ができました。その結果、年間10万円程度の所得税が還付されました。あと職業訓練給付金の対象なのでいくらかもらえる予定になっています(これから申請するので金額は現状わからず)。

あと教授の研究補助のバイト代と、雑誌投稿の原稿料もいくらかもらえました。合わせて10万円程度。さらに言えば定期代を学割にした差額が2年で10万円程度浮きました。

ということでざっくり計算して総額250万円程度の支出になると思います。

どんな人が通っているか

かなりバラエティに富んだ人たちが学んでいたのですが、典型的なところで大きく括ってみると、1.20~30代の意識高い人、2.40代以上の瀬戸際の人、3.新卒学生に分けられるのかな、と思います。

20~30代の人は、ある程度キャリアの方向性が見えてきてキャリアアップのために勉強に来ている人が多かったです。就職はしてみたけどなんか違う感があってキャリアチェンジを目指している人も多少いたようです。前者はモチベーションが高く優秀そうな人が多い印象。後者はやる気があるんだかないんだかよくわからない人が多かったですね。なお「意識高い」は本来の意味で使いました。

40代以上の人は、典型的には早期退職でまとまった金があり異なる分野で再起を図ろうという人。また、リストラで望まない異動となり改めて勉強する必要が出てきた人。この人たちは多くが大企業である程度の役職まで行った人たちで、経験に基づく知識は豊富な人たちですが、全般的に上から目線で感じ悪い人が多かったように思います。こちらも意識は高いですが後ろに「系」が付く方。

新卒学生たちは、多くが昼の講義に出ていてあまり顔を合わせることもありませんでした。溜まって騒いでいてうるさいときもありましたが、個人的に話す限りではとても感じのいい人たちばかりで、良くも悪くも最近の若者っぽいと思いました。腹の中でどう思ってたのかはわかりませんけど。

ぶっちゃけ行ってよかったのか

2年間で得られたことを整理すると、以下の3つかなぁ、と思います。

1.特定分野の幅広い知識
2.アカデミアのお作法(研究の進め方とか、業績の作り方とか)
3.教授陣や同窓生などの人脈

1については極論すると学校に通わなくても得ることはできるものです。2についても私の場合はすでに職があり研究職に進むつもりは毛頭ないので、雰囲気を味わえたのはよい経験だとは思いますが、それ以上の何物でもありません。まぁ学者さんってやっぱり人間性に問題ある人多いんだね、と実感できたのは収穫かも。

やはり一番の収穫は3の人脈になるのだろうと思います。これだけは2年間在籍して一つのことに取り組む中で醸成されるものなので、巷の勉強会や交流会で得られるものとは質が違います。特に私の場合は今後も同じ分野で仕事をしていきますから、仕事上でも何かメリットが出せてくるかもしれないと期待しています。

現代はSNS等で手軽に関係を維持していけますから、この繋がりは大事にしていきたいものです。

全体を総合して250万円を払う価値があったのか、というのはまた別の話ではあります。率直に言って1についてはかなり期待はずれな面もありまして、時間の無駄としか言えない講義も少なからずありました。また、入学金や施設使用料など慣習として理解はできるけどまったく元が取れない類の経費もありました。

自分で値段を付けるのであれば、総額150万円がいいところかと思います。

結論としてはこうです。
「行って良かったとは思うが、金と時間によほど余裕がなければ行く必要はない」

まとめ

(注:あくまで社会科学系の話です。また、本気で研究職で食っていこうという人は除きます。)

社会に出てある程度キャリアを積んでから改めて学び直すというのは有意義なことだと実感しました。日本は諸外国と比較して一旦社会に出てから大学等に戻る人は少ないし、それは多くの企業のキャリアパスがそれを想定していないことが一番大きいと思うのですが、もっと気軽に社会人が高等教育を受けられる環境が整備される必要性があると思います。

一方で、少なくとも修士号を得るだけであればフルタイムで学生をする必要性はあまりないと思いました。新卒学生たちも就職対策で進学している人が大半で、ほとんどは専門分野と関連のない職種で就職していくようです。私の目からすると単に大学生活が6年間に引き延ばされた以上の意味はなさそうに感じました。

そういう意味でも、やはり社会に出てある程度キャリアの方向性が固まった人がキャリアアップのために大学や大学院に戻る(もしくは進む)というキャリアパスは社会として整備されて欲しいと思います。

思いのほか長くなりましたが、以上になります。ご清聴ありがとうございました。

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