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平成24年改正著作権法の一部が2012年10月1日から施行されます。違法ダウンロードの刑事罰化もその中には含まれています。

今回の改正法の附則7条では、国等は国民に対して改正内容を啓発する措置を講じなければならないことが明記されています。

(国民に対する啓発等)
第七条 国及び地方公共団体は、国民が、新法第三十条第一項に定める私的使用の目的をもって、有償著作物等の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為(以下「特定侵害行為」という。)の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、特定侵害行為の防止に関する啓発その他の必要な措置を講じなければならない。
※括弧書きは省略、太字は筆者

2012年6月27日に改正著作権法が公布されてから今日までに、どのような啓発措置が行われてきたか、確認してみました。

2012年7月12日、文化庁が違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&Aを公開しました。7月24日に追記があったのが最後の更新です。それ以降、文化庁のWebサイトにおいて何らかの啓蒙施策が行われた形跡はありません。
文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 著作権制度の解説資料 | 違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
20120926203801

2012年8月7日、日本音楽事業者協会が特設サイトを開設しています。
NO MORE 違法アップロード・ダウンロード ~ミュージックモラリズム みんなで守る、みんなの音楽~
20120926203431

9月14日、日本レコード協会など著作権関連7団体が啓発キャンペーン特設サイトを開設しています。日本音楽事業者協会はこちらにも参加しています。
STOP!違法ダウンロード
20120926203341

おしまい。

私の観測範囲では、国民への啓発を目的とした活動はこれしかありません。新聞も読まないしテレビも観ないので、何らかの広告等がされたのかはわかりません。また、中学校・高校で教育が行われているかなど知る術もなく、こちらも実態がわかりません。観測範囲が十分ではないのは確かだと思います。

とは言え、不正なダウンロードはインターネット上でしか起こり得ないことですから、インターネット上での啓発を重点的に行わないことには意味がないと思います。日々の情報収集をかなりの割合でインターネットに依存している自分でもほとんど目に触れないというのは、十分な啓発が行われている状況とは到底評価できません。

さらに上掲のWebサイトを眺めてみても、基本線は「音楽や動画をダウンロードすると刑事罰を科される可能性がある」という表現で、具体的にどういうことをしたらNGなのかがはっきりしません。

例えば、「エルマークがあるサイトなら大丈夫」と書いてありながら、「(なお、「エルマーク」は、レコード会社等との契約によって発行されているもので、「エルマーク」の表示されていないサイトにおいて配信されているコンテンツが、全て違法であるということではありません。)」とか、はっきりしません。

じゃあ、エルマークが付いているのはどこなのかしら、と思って、確認しようとすると、、、
20120926205916

404 File not found… ファイルが見られません。
20120926210232

附則7条をよく読むと、「施行前に」やらなければいけないことは書かれていないし、どこまでやったら十分なのかの判断基準も書いてありません。国としては、何かをやった事実があれば十分であって、「違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A」を公開した時点で達成していると考えているのかも知れません。

公的機関、業界団体の啓発サイトは通り一遍の内容で、とにかくこれからは音楽や動画をダウンロードしたら危ないのかな、という印象しか受けません。そもそもより具体的に掘り下げて何がOKで何がNGか国民に分かる形で通知するのが、必要な啓発措置だと思うんですが、どうでしょうか。

そういう意味では、識者によるブログなどでは比較的冷静な分析がなされているものが多く見られます。個人的によくまとめられていると思ったページをまとめてみました。10月1日を迎える前に一読しておくと何かとよろしいと思います。

著作権法改正:何が違法で何が合法なのかまとめてみた | 栗原潔のIT弁理士日記

第282回:ダウンロード犯罪化施行(2012年10月1日)以降、インターネット利用にあたって気をつけておくべきこと〜冤罪や詐欺の被害者とならないために〜: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言

違法ダウンロード刑事罰化が決定したので、自分の身を守るためにどうすればいいか把握しておこう – 見て歩く者 by 鷹野凌 –


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