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裏社会を中心に取材を続けているノンフィクション作家、溝口敦氏の『歌舞伎町・ヤバさの真相』を読みました。氏の著作は『詐欺の帝王』に引き続き二作目です。

書評:『詐欺の帝王』溝口敦(著)

個人的にも歌舞伎町には、子供の頃は親に連れられて映画を観に来たり、学生時代には安い居酒屋に、社会人になってからは大人の店に、形を変えながら定期的に訪れています。その歌舞伎町がどのように成立して、裏にどのような人たちが潜んでいるのか、興味深く読みました。

本書の前半は、どのようにして歌舞伎町ができ上がってきたのか、歴史を紐解きます。元々この地域は江戸時代に鉄砲百人組同心が拝領した大久保の土地にツツジを栽培して栄えた町でした。明治から大正にかけて鉄道網の発達で新宿の町は西の玄関口として乗降客を集め、関東大震災で被害が少なかったことを奇貨に住宅街として急激に発達を遂げます。その後東京空襲で焼け野原となりますが、終戦直後から新宿駅前(現在の東口、アルタから伊勢丹あたり)に大規模な闇市が開かれ急速に復興します。そうしてマーケットで力を付けた人々が復興のために文化の発信地として人工的に作り上げたのが歌舞伎町でした。

本書の後半では、歌舞伎町に古くから中国、朝鮮、台湾の人々が入り込んで、時には暴力を行使して町を牛耳っていく様子が描かれます。現在でも歌舞伎町は多くの不動産をこれらの外国出身者が所有しており、また近年ではアフリカ方面の黒人たちも流入しており、犯罪の温床になっていることが指摘されています。

近年は石原都知事の歌舞伎町浄化作戦もあり、また2020年東京オリンピックへ向けて益々締め付けが厳しくなっています。締め付けが厳しくなるにつれて、売上に困った末の無茶なぼったくりが横行しており、非常に危険な状況にあるようです。本書を読むとかなり刹那的な外国人が短期の荒稼ぎを目的に集まっていることがわかりますので、こうした状況に陥るからくりがわかるような気がします。

個人的に足を踏み入れていて感じていたのは、コマ劇場が閉館してから急激に歌舞伎町の治安が悪化したことです。今年はコマ劇場跡地にシネコンとホテル、オフィスが入る高層ビルがオープンする予定ですから、ここ数年の状況から一部の地区は状況が改善するんじゃないかという感じはします。

多少のぼったくりは根絶するのは難しいと思いますが、下手をすると命の危険に晒されるような現在の状況は是非とも改善して欲しいと切に望みます。

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