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先日、京浜東北線内ので乗客トラブルで一方が凶器を持ち出して緊急停車する事件がありました。トラブルの原因は優先席でタブレット端末を使用していたことだったそうです。

 9日午後3時25分ごろ、横浜市鶴見区生麦(なまむぎ)3のJR京浜東北線鶴見−新子安間を走行中の大宮発大船行き普通電車(10両)で、男が突然刃物を取り出し、男性客に向けた。別の乗客が非常用ドアコックでドアを開けたため電車は緊急停止。非番で電車に乗っていた神奈川県警鶴見署の男性巡査長(29)が、男を銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。乗客約50人は一時線路に避難したがけがはなかった。
 鶴見署によると、男は住所・職業不詳、寺谷正澄(まさすみ)容疑者(71)。5両目の優先席で隣に座っていた会社役員の男性(50)と言い争いになり、持っていたビニール袋から包丁(刃渡り約17センチ)を取り出したという。「包丁を見せて脅かそうと思った」と供述している。
 男性らによると、寺谷容疑者はタブレット端末を使っていた男性の肩を「優先席でいじってんじゃねーよ」などと叫んで殴り、包丁を取り出したという。【福永方人】

出典:JR京浜東北線:電車で男が包丁…乗客、線路に避難 – 毎日新聞

鉄道会社が優先席付近での携帯電話の使用を自主規制していたのは、携帯電話の発する電波がペースメーカーに悪影響を与える可能性があったことでした。しかしそれはデジタル方式に移行した、いわゆる第二世代携帯電話の時代の話であり、現在普及している第三世代以降の携帯電話ではペースメーカーに与える影響は無視できるレベルであるということが明らかになっています。

 平成21年度の調査では、1.7GHz帯及び2GHz帯の周波数を用いる携帯電話端末のうちHSUPA方式を用いて高速なデータ通信を行うものを対象とし、心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器としては、現在使用されている代表機器(植込み型心臓ペースメーカ41機種、植込み型除細動器28機種)を対象として調査を実施しました。
 その結果、HSUPA方式を用いた携帯電話端末の電波がこれらの心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器の機能に影響を与えないことを確認しました。

出典:総務省|携帯電話端末による心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器への影響に関する調査結果

科学的には携帯電話の発する電波の影響を考慮して電源をオフにする理由はありません。マナー的に通話を好ましく思わない場合はあるにしても、データ通信のみでマナー的に問題になるケースはないと思われます。にもかかわらず、少なくとも関東地方の鉄道会社のほとんどはいまだに優先席付近での携帯電話の電源オフをアナウンスしています。

私自身も電車内でkindleを使用していて老人に絡まれた経験があるし、そうした話は枚挙に暇がありません。やはり鉄道会社が携帯電話の電源オフを要請するのは根拠がないことであるし、現にこうして過剰反応による問題が発生しているのであるから、早急に見直していただきたいと思います。

参考:優先席付近でじいさんに怒鳴られた話 | やめたいときは やめるといい。

それはそれとして、こうした微妙なルールを振りかざして周囲の人間を威圧する老人に遭遇したときにどう対処すればいいのか、というのも考えなければいけません。

今回のケースで言えば、確かに科学的な根拠はまったく無いのは事実としてあるとしても、一応JR東日本の現状の運用では優先席付近では携帯電話の電源は切ることが正しい行動ということになります。優先席でタブレット端末でデータ通信している人間に対して電源を切るように言うことは正論ではあります。(突き詰めて考えると、ルールを設定しているのはJR東日本なので車掌や駅員など社員が言うのはともかく一乗客が他の乗客にルールを押し付けるのは不当な気もしますが。)

で、この包丁振り回した寺谷正澄容疑者(71)は、特にペースメーカーを使用していたわけでもないようで、単に正論を振りかざして他人を屈服させることで自己満足を得たいと考えていたようにしか思えません。

私も先日、スポーツジムの更衣室で他の客の老人に絡まれたことがあります。ロッカー前のベンチに服とか靴とか必要なものを出して着替えていたところ、「そこは人が座るところなんだから靴なんて置くな。汚いだろう。」と怒鳴られたのです。当然スポーツジムの中なので内履きですし、何しろ私はタオルの上に靴を置いていたんで、先方の言うことに何の正当性もないはずです。むしろじいさんが興奮して撒き散らす唾の方がはるかに汚い。

でも、こんなのでも反論するのは難しいのです。そもそも衛生感というのは主観が強いもので絶対的な線引きは難しいもの。「禁止されてないだろう」とか「そんなこと気にするな」とか「お前に言われる筋合いはない」とか言いたいけれど、正面から相手の言い分を否定する根拠などないわけです。この老人に不快感を与えてしまったことだけは確かな事実としてありますから「すいません」と言うしかないわけです。それを聞いてじいさんは満足して去っていきました。

世の中にはほとんどの人が気にも留めないようなことに対して、正論を振りかざして威圧してくる人がいます。私の個人的な印象では、大部分は高齢の男性で、残りは中年の女性です。相手の言い分は確かに一面では正論であって簡単に反論することは難しいことが多いです。

ああいう人たちは今までの人生とか日常生活で承認欲求が満たされることがなかった可哀想な人たちなんだろうなぁと感じないでもないのですが、実際に遭遇してしまうとやり場のないストレスだけが残ります。

結局、私の個人的な回答は、「可哀想な人だと思って表向き理解を示してやり過ごす」ということしかないんですけれど、何かよい対処方法はないものでしょうか。

どなたか教えていただけたら幸いです。

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