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今年は戦後70年ということで、以前から積読状態だった本書を読んでみました。

昭和21年の3月から4月に昭和天皇の側近たちが先の大戦の経緯を聞き取りまとめたものです。側近の一人だった寺崎英成氏が複写を所有しており、それが遺族によって発見されて、1990年に文芸春秋で発表されたようです。当時大変話題になったようですが、私は中学生でしたので記憶にありません。

今回読んだ文庫版には、独白録全文と、寺崎英成氏の娘で複写を発見したマリコ氏の回想、そして有識者の座談会が収録されています。

私は特に昭和史に詳しいわけではありませんが、独白録には各節に歴史研究家の半藤一利氏による注が入っているため、史料としての価値が高いものであることは理解できました。全体を通して、昭和天皇が常に和平を望んでいながら、本来絶対的な権限を持ちながらそれを発揮できない状況に置かれ、日本が戦争の泥沼に落ちていくのを忸怩たる思いで見ていたことが感じられました。

私は昭和の最後の10年ほどしか知らないので、昭和天皇がどのような人柄であったかについて知り得る知識がありません。記憶にあるのは無表情で手を振っている姿くらいです。独白録で語られる人物評などを見るに厳しい人物だったように感じ、意外に思いました。

ある程度日中戦争から太平洋戦争までの出来事を時系列で押さえてから読んだ方がよいとは思いますが、その時々で昭和天皇が何を思っていたのか率直に話されているのは純粋に興味深いものでした。あまり分量もないので、現代の日本人として時間のあるときに一読しておくとよいと思いました。

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