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愛知県の女子児童が特許を取得したというニュースが話題になっていました。アルミ缶とスチール缶を自動で仕分けできるゴミ箱の発明です。

 愛知県安城市の丈山小学校6年神谷明日香さん(12)が、磁石の力を利用してスチール缶とアルミ缶を自動的に分別するごみ箱を開発し、特許を取得した。公益社団法人発明協会(東京)によると、小学生の特許取得は非常に珍しい。神谷さんも「特許が取れるなんてびっくりした」と喜ぶ。

出典:小6女子、ごみ箱開発で特許取得 磁石で缶を自動分別 – 47NEWS(よんななニュース)

以前テレビで観たような気がするな、と思ったら、やはり先月TBSの朝の情報番組『あさチャン!』で放送されていたようです。

どんな特許か調べてみました。特許第5792881号です。出願日は平成26年12月8日。早期審査の申請をしていて出願公開はまだされていません。

権利範囲を表す特許請求の範囲は以下のようになっています。

【請求項1】
天板部と、該天板部の下方側の周壁部と、該周壁部の下方側の底板部と、を有する箱体形状を成し、
前記天板部に設けられ、横向きの空き缶を投入可能な略長方形状を成す開口と、投入される空き缶を前記開口の一方の長辺側から他方の長辺側へ案内して該他方の長辺の下方に連なる他方側の壁部に当接させる案内板とを有する投入部と、
前記他方側の壁部の下端付近に設けられた磁石と、
前記他方側の壁部から下垂された下垂シート片と、
鉛直に下垂されている前記下垂シート片の鉛直下方位置に設けられ、前記下垂シート片の下方の箱体内を2室に分割する分離壁と、
を有する空き缶分別箱。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記下垂シート片の上下方向の長さは20mm~40mmの範囲である、
ことを特徴とする空き缶分別箱。

出典:特許第5792881号

J-Platpatで審査経過書類を眺めてみますと、拒絶理由が一度打たれていますがサポート要件(特許法36条6項1号)のみで新規性・進歩性は当初から問題なしという審査結果です。補正の示唆に従って補正をして、無事特許査定を得ています。

なんと言っても注目は、新規性喪失の例外の表示です。なんと微笑ましい。

【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月8日~9日に安城市立丈山小学校の体育館において開催された、平成26年度安城市立丈山小学校夏休み作品展で発表

出典:特許第5792881号

ちなみに新規性喪失の例外の証明書はこんな感じです。ちゃんと写真を残しているのが素晴らしいですね。現実には企業でも展示会等で発表しちゃったけど証拠が何もないなんてざらにありますから。

21402390200-jpatta-I000001
21402390200-jpatta-I000002
21402390200-jpatta-I000003

ニュースでは小学6年生と報じられていましたが、小学5年生の夏休みの自由研究で特許発明を完成したということになりますね。これは一生の思い出になることでしょう。

今回は弁理士が代理していてそれなりの費用が掛かっていることが予想されます。通常弁理士が出願を手掛けると特許庁へ払う手数料を含んで30万円は下らない金額になります。とても小学生のお小遣いやお年玉で出せる金額ではありません。

しかしながら、個人や中小企業向けに発明奨励のための助成制度がかなり整備されています。例えば、日本弁理士会では特許出願等援助制度を用意していますし、各地方自治体の助成制度を調査した結果を公開しています。また、特許庁の手数料は減免や猶予の制度もあります(参考)。今回の愛知県安城市の場合では、最大で出願費用の50%、最大60万円を助成する制度があるようです(参考)。

特許を取得するにはそれなりの費用と時間が掛かるのは確かですが、個人レベルであれば様々な助成制度によって以前よりも格段に身近なものになっています。お子さんが自由研究等で画期的な成果を上げたときには、思い切って特許出願してみるというのは、教育上とてもよい効果を発揮するのではないでしょうか。

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