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先日、『原始仏典』を読んだのですが、興味深くはあるものの難しかったので、最近刊行された『ブッダ伝』も読んでみました。と言っても1995年に刊行された『ブッダの人と思想』の文庫化とのことです。

本書は「スッタニパータ」「サンユッタ・ニカーヤ」「ダンマパダ」「テーラガーター」「テーリーガーター」「マハーパリニッバーナ・スッタンタ」などの原始仏典から重要なエピソードをブッダの生涯の歩みに合わせて年代順に紹介する構成になっています。

大きく分けると、ブッダが悟りに至る道、ブッダの教えの中身、ブッダを取り巻く人々、ブッダの入滅になっています。中心になるのは、ブッダの教えの部分で、4章を割いて無我・非我、慈悲、中道・八正道など原始仏教の根本的な考え方についてブッダの言葉を引いて説明されています。

本書で特に興味深かったのは、1章を割いて仏弟子たちの紹介をしているところでした。ビンビサーラ王やパセーナディ王の在俗信者から、サーリプッタとモッガラーナやカッサパ兄弟、アーナンダ、ラーフラ、デーヴァダッタの出家信者まで、著名な仏弟子のエピソードを短く紹介しています。

本書はブッダの生涯を中心に構成されているので、人間としてのブッダ=ゴータマ・シッダルタの人柄が生き生きと感じられます。そのせいか、ブッダの教えについてもより深く感じられたような気がします。ブッダは相手に応じてわかりやすく教えを説いたことが知られていますが、本書ではブッダを取り巻く人々とのエピソードが多く取り上げられていて、特にその点がよく理解できました。

私は本書の後に改めて手塚治虫の『ブッダ』を通読してみました。以前読んだときにはあまり深く感じられなかったブッダの説法についても本書の内容と合わせると理解しやすく、また史実と手塚の創作との区別も付き易く正しい理解が得られたような気がします。

これまでいくつかブッダ関連の本を読んできましたが、手早くブッダという人物について押さえるためには最適な入門書だと思いました。

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