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地理的表示保護制度がいよいよ動き出したようです。

日本各地の農産物や食品などの特産品を、国が地域ブランドとして登録する「地理的表示保護制度」について、農林水産省は22日、初めてとなる登録品目を発表します。これまで申請のあった「夕張メロン」や「神戸ビーフ」など7品目が認められる見通しです。

出典:地理的表示保護制度 登録品目発表へ NHKニュース

この分野は普段の業務とは直接の関係がありませんが、大学院のときに地域起こしと知的財産についての講義をとって以来、興味を持ってウォッチしています。

地理的表示保護制度は、平成26年6月に制定された「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」に基づく新しい制度です。ざっくり言うと、農産物の産地表示を知的財産として保護する制度です。

地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)が付されているものについて、その地理的表示を知的財産として保護し、もって、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的として、「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)が平成26年6月に制定されました。

出典:農林水産省/地理的表示法とは

地域の産品の名称を保護するという点で地域団体商標制度と共通する点が多いです。共通点・相違点について一度整理しておくとよいでしょう。特許庁もそうした観点で資料を公開しています。

参照:地域団体商標と地理的表示(GI)の活用Q&A

以下のまとめは、わかりやすさ重視で正確性に欠ける面もあるかと思います。詳しくは行政の提供する一次資料か専門家の意見に当たってください。

項目 地域団体商標 地理的表示
商品・役務 すべての商品・役務 農林水産物、加工品など
表示 “地域名+商品名”の文字 文字(地名は必須ではない)
権利主体 組合、商工会、NPO法人など 地域の共有
登録要件 団体と商品との関係で周知であること 地域と結びついた品質等の特性があること
期間 10年ごとに更新 更新なし(取り消されるまで)

なお、今回登録された7品目について商標登録の状況を調べると、以下のようになっていました。主観ですが、有名なものほど商標も取ってる印象ですね。

名称 商標登録
夕張メロン 通常の商標(1379023号等)
江戸崎かぼちゃ なし
八女伝統本玉露 なし
鹿児島の壺作り黒酢 なし
あおもりカシス 地域団体商標(5113487号)
神戸ビーフ 地域団体商標(5068214号)
但馬牛 地域団体商標(5079367号、5083161号)

とりあえず以下の4点を押さえておけばいいんじゃないかと思います。

① 地理的表示は農産物のみ、地域団体商標はなんでもよい
② 地理的表示は地域の共有財産、地域団体商標は権利者が独占使用
③ 地理的表示は品質までお墨付きがある、地域団体商標は有名かどうかだけ
④ 地理的表示は国が取り締まってくれる、地域団体商標は権利者が自ら権利行使しなければいけない

どちらを利用すべきかは個別の事情によるので一概には判断できませんし、可能であれば両方利用するのが望ましいと思います。各都道府県などがだいたい知財総合窓口を用意しているので、まずはそちらに相談してみるのがいいんじゃないでしょうか。

役に立ちそうな窓口へのリンクを挙げておきます。

知財総合支援窓口 知財ポータル (中小企業を無料で支援します)
GIサポートデスク – 地理的表示保護制度活用支援 中央窓口

第二次安倍政権では「地方創成」を旗印に掲げていますから、これらの制度が少しでも地方創成に活かされることを願います。

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