スポンサードリンク

昨年末の話ですが、イソジンうがい薬のブランド名が明治から塩野義製薬に移管されるという発表がありました。

 「イソジン」の名前で知られる明治のうがい薬を来年4月から塩野義製薬が売ることになった。明治が国内でつくって売る権利を失うためだ。ただ、商品キャラクターの「カバくん」は明治に残り、4月に同社が出す新しいうがい薬でもキャラを務めるという。

出典:イソジン販売、明治から塩野義製薬へ カバくんは残留:朝日新聞デジタル

参考①:明治のプレスリリース

参考②:塩野義のプレスリリース

「イソジン」の商標は、ライセンサーのムンデイフアルマアクチエンゲゼルシヤフトが保有しています(商標第498384号、第584989号)。商標的には、ムンデイ社が明治に許諾していた通常使用権が消滅し、新たに塩野義製薬に通常使用権を設定する形になるのでしょう(「移管」と言っているので契約が譲渡されるのかもしれませんが)。

一方で、「イソジン」の文字に関してはムンデイ社が権利を持っていますが、カバくんのキャラクターについては明治が独自に創作して使用してきたものです。そのため、明治は今後、「明治うがい薬」という名称で成分が変わらない製品を製造販売していくことになるとのことです。

参考③:明治のプレスリリース

このニュースに触れたときにざっと明治の商標を調べてみたのですが、カバくんのロゴについて商標登録がありませんでした。つまり、明治がカバくんに関して保有する権利は著作権だけということになります。

報道では塩野義もカバのキャラクターを使用することを検討しているということでした。著作権は無方式主義なので近年世間で思われているほど強い権利ではありません。商標は特許庁の審査を経て公開されていますので、製品ロゴとして使用する場面では著作権と比較して圧倒的に強い権利です。

明治がカバくんをキャラクターとして採用したのは1985年とのことですから、30年も使用し続けてきたことになります。正直なんで商標を取ってないのか理解できませんでした。このままでは危ないな、と思っていました。

先日いつものように最近の商標出願をウォッチしていたところ、ようやく明治がカバくんのロゴを出願していることを発見しました。

ちょっと安心はしたものの、イソジンブランドの移管が発表されたのが12月9日で、出願が12月28日です。カバくんのロゴが商標登録されていないことは瞬時にわかりますから少し動きが遅い感じがします。最近は商標ゴロ的なことをしている人が散見されますので、先に出願されていると面倒なことになりそうです(※)。

あと、実際の商品パッケージと出願している図柄が違うのも気になるところではあります。企画部門と知財部門の連携が上手くいってないのでしょうか。

食品業界や大衆薬業界は発売点数が多いので、全体的に商標出願件数が多い傾向があります。実際、明治は2015年の商標出願件数で13位になっています(参考)。商標関係には敏感なはずなんですが、なんでこのような動きになったのか不可解です。

子どもの頃からお世話になってきた製品ですので、トラブルなく販売を継続できるとよいと思います。

※実際には商標法4条1項10号が適用されて先に出願しても拒絶されると思いますが。

LINEで送る
Pocket